猛暑籠居、妄想彼女
高田蝗年
一章
おれはタルパを作ると決めた。タルパとは、イメージによって作られる創造の人間である。イマジナリーフレンドのようなものだ。
子供は自由な想像力と持ち前の思い込みの強さによってイマジナリーフレンドを作るが、大人はどうするか。知性と訓練によってそれを可能にする。
タルパを作るには手順がある。おれがネットで見た情報では、
1 タルパの設定を決める。性格、容姿等。
2 タルパと会話する。
この時点ではタルパの存在は確立していないので、自分でタルパのセリフを想像して、会話する。まだ、自分と会話しているに等しい。
3 タルパを自分の意識から独立させる。
これは、タルパが話すセリフを想像せずとも、タルパが勝手にしゃべってくれるようになるということだ。タルパが自分から話しかけてくれるようになる。自動化(オート化)と言う。
4 タルパを視覚化する。
タルパが空間に存在しているのをイメージする。完全にタルパが自動化、視覚化されたら、タルパは完璧に自立した存在となる。
この手順を行えばタルパを作ることができる。おれはこの方法を昔2ちゃんねるのまとめサイトで見た。タルパを作って人生を変えようと思った。
今のおれにとっては、まとめサイトなぞ全く好きではなく、不愉快な存在でしかないのだが。
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