第22話 武田
畦道を歩く、上杉に居る小笠原長時一家を想うが、清延には長時が苦手であった。
闘いの所作を分かってない御仁なのである。
武田晴信との闘いは壮絶を極めた、しかし晴信の行動は緻密で早く、そしてその戦略はいつも確実なのである。
特に思うのは、武田晴信が掲げる旗印
「風林火山」
中国からの古事からであった。
そして、赤揃えの兜、鎧などなど、槍も赤く塗ってある所などなど。
赤は目立つから人は避ける所を、晴信は容赦無い。
使えるひとの気持ちをどんな風に掴むのか。
人を動かすにはその殿に死を預ける。
晴信は如何に人を動かすのだろう、人から慕われないとあの様に出来ないと考えると、武田の流儀を知りたくなる。
各地に隠密、草の者、間者を入れてるらしい
小笠原家にも多少はいた、しかし晴信はそれを何年も前から部隊化している。
そのせいで林城の闘いも、呆気なく負けた
人が城になる。
いつまでもその言葉が脳裏に残る。
その後1559年に出家した晴信は信玄として武田家の本来の大虎になった様だ。
「信玄かぁ……」
清延は武田家を考えた。
信玄に忠誠を誓って人は自分の命を預ける事、それが出来る信玄とは如何なる人物なのか、我が家が信玄率いる忍びの策略の為に大事な家族を失ったあの事件を体験したせいが、その真髄を知りたいと願う清延に雨がぽつぽつと降りかかって来た。
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