【1分BL】晴明(攻)✖️道満(受)

七月七日

第1話(一話完結)

「そこにいるのは分かっておる、道満」

 晴明が杯を差し出すと、蜜虫みつむしがそれを酒で満たす。

「お主はいつも神出鬼没だのう」


「貴様に言われたくないわ!」

 道満は、屋根の上から音もなく飛び降りた


 ここは、晴明の屋敷。彼はいつものように縁側で酒を飲んでいた。


「鮎の匂いに誘われて来たのか?」

「‥‥‥ま、それもある」


 道満は、勝手に上がり込み、手酌で杯を満たす。杯は何故か初めからもう一つあった。

「今宵は奴の笛のが聞こえなかったから」


博雅ひろまさのことか?」

「ああ、そんな名前だったな」

 道満は顔を背けて、酒をあおった。


「妬けるか?」

「‥‥‥」


「あいつはいいおとこだ」

「俺よりもか!」

 晴明、応えろ!そう云って道満は晴明を押し倒す。



 蜜虫は、主人あるじの命令を待った。式神は主人の命令なしには動くことができない。


「蜜虫、下がれ」

 晴明は、道満の背中に手を回しながら蜜虫に命じた。

「御意」

 そう云って蜜虫は姿を消した。



 二人の時が過ぎる。熱く、たぎるようなひととき。

 晴明と道満は、幾度となくその生命のほとばしりを迎えた。



「博雅も抱いたのか、晴明」

 しとねの中、道満は晴明の腕に抱かれて問うた。


「いや、博雅は友だ、お主とは違う」

「俺は貴様の何だ」


「永遠の宿敵」

 永遠の、だ。そう云いながら半身を起こして、晴明は道満に再び身体を重ねる。


「私よりも先に逝くな」

「晴明‥‥‥」


「臨・ぴょう・闘・者・かい・陣・列・在・前!」

「な、何故いま九字くじを切った⁈」


「お主と私の未来の安寧を願った」

 晴明は、九字を切った右手の指を道満の後ろに伸ばす。


「そ、そこをくじるな、あ、あぁ〜」


「先に逝くなと申したのに」


「無理‥‥‥」




 晴明✖️道満 了




 あとがき:

 安倍晴明と蘆屋道満はどちらも陰陽師ですが、敵対してます。源博雅は晴明の親友で笛の名手です。晴明が博雅を“いい漢”と呼ぶ場面は夢枕獏さんの小説からの引用です。


 BL用語に“メスイキ”という言葉があります。前立腺を直腸から刺激して逝くことです。受の方はそんな快感が得られるらしいです。知らんけど。

 興味がある方は試してみてください(笑)



 ここまで読んで頂きありがとうございました。

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【1分BL】晴明(攻)✖️道満(受) 七月七日 @fuzukinanoka

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