読みながら、気がついたらクスッとしていました。
文章が“情報”ではなく“勢いとノリ”で動いていくので、普通の読み物とはまったく違うリズムで楽しめます。
私にとっては初めて触れるタイプの物語なのですが、
作者さんが誰より楽しそうに世界を遊んでいることだけは、強く伝わります。
みことのキャラがとにかく素直で、人に愛される主人公ですね。
もなかを食べるシーンの無邪気さがすごく印象に残りました☺️
動画と小説が行き来する独自のスタイル、
そして60話以上続いている創作への情熱に、素直に脱帽です。
次はどんな展開になるのか、ワクワクしながら読ませていただきます。
奴隷国家「やしま」で育った少年・威能命(みこと)。十年の修行を経て鎖を断ち、自由を掴む。辿り着いた猫人の島で出会った“もなか”は、甘く、そして村人たちにとっては希望の味だった。拳と魂で世界を変える、少年の異世界譚。
――ここからは第3章途中までのレビューです。
物語は小説というより台本のような構成で進みます。
「台本形式? じゃあ読むのやめようかな」と思った方、ちょっと待って。
これは作者さまが選び抜いた物語のかたちなんです。
映像と音を想起させる文体リズム、アニメーションのようなテンポ。
そして何より、書くことを全力で楽しんでいる気配がページの隅々から伝わってきます。
シナリオを読んだ後にアニメ動画を見る。動画の後、文章で追う。
お好きな方で。楽しみ方が広がる試みだなと思いました。
「ファソー・スピネル」――その名が指すものが、いつかすべて揃う瞬間を楽しみに、物語を追っています。
奴隷の少年・威能命が自由を求めて旅立つ物語。
拳一つで運命を切り開く姿はまっすぐで力強い!
この作品の特徴は、文章そのものがとても生き生きしていること。
本文の中に絵文字が織り込まれており、その配置やリズムが、まるでアニメの動きや音を思わせます。
文字だけでここまで映像的に感じられる小説は珍しく、読むというより“体感する”作品といえるでしょう。
さらに現在、アニメ版が制作中とのこと(すごい!)
物語が本当に“動き出している”ことを感じられるのも嬉しい驚きです。
この世界がどこまで広がっていくのか――最中みたいに、甘くて熱い展開が待っていそうです!
この世界ではない、どこかの異世界。
そこには――「やしま」と呼ばれる島国があった。
だがその国は、夢も自由も許されぬ奴隷国家だった。
子どもであろうと容赦なく鉄鎖に繋ぎ、心を砕き、体を搾り取る。
だが、ひとりだけ――希望を捨てなかった少年がいた。
名は、威能命(いのう みこと)。
10年間、拳を鍛え、心を折らずに耐え抜いたみことは、
ついに鎖を断ち、壁を砕き、絶望の檻をぶち破る。
向かった先は、猫人族が住む「アニガハ島」。
砂浜で倒れた彼を救ったのは、黒頭巾の奇妙な男。
彼が差し出したのは――甘く、尊く、あたたかな「最中」だった。
初めて食べた「幸せの味」。
だが、それはただの菓子ではなかった。
やがて明らかになる。最中に託された村人たちの祈りと、重すぎる代償が。
仲間、絆、裏切り、そして圧政。
甘味を食べたその日から、少年の運命は動き出す。
これは、
拳と魂で世界を変えようとする少年の、異世界物語。
このお話は、コミカルさとシリアスさが程よくちりばめられています。壁を必殺キロトンパーンチ!!でぶち破るシーンは笑いました。
絵文字や独特な文字の配置を駆使した、体感型の書きぶりです。文章そのものが動き出すような表現と、読み終えた後にも鮮烈に残る映像的イメージが楽しいです。
内容はけっこう重い設定です。ですが、軽快なギャグやコミカルな会話が絶妙なバランスで盛り込まれて楽しめます。
もなかやアルコール0%の飲み物をはじめとした食べ物の描写。神社での驚愕するおみくじ結果。長い階段を一気に滑り降りる描写。などなど、作者の遊び心と情熱があふれています。
明るい語り口、切なさを秘めたストーリー。とても魅力的な作品だと思いました。みなさまもぜひ
<第1話を読んでのレビューです>
語り口は直截的で、筋肉の描写や行動がそのまま物語を駆動させています。舞台は奴隷国家「やしま」。十年に及ぶ拘束の末、少年は腕立てを積み重ね、そして壁をも粉砕する力で脱出します。展開は早く、説明よりも動作が優先され、読者は即座に主人公と同じ目線で外の世界に放り出される感覚を得ます。その速度感が、むしろ作品全体の特徴として印象を残します。
個人的に印象的だったのは、
「みこと:……ありがとう……んっ……ちょ!?ちょ!?ちょっと待って……!?うぷっ!……ぶはっーーー!!」
という場面。
深刻な設定の中で、唐突に挟まれる笑いが不意を突き、キャラクターの人間味を鮮やかに示しています。ただの「強い奴隷」ではなく、等身大の青年として彼を感じることができます。緊張と緩和があるからこそ、次に続く展開への期待が高まります。
場面転換の大胆さや台詞の勢いをそのまま受け入れると、この作品の持つエネルギーが一層鮮明に伝わってきます。