とある私についての独白

野良犬

第1話

何となく昔から思っていたけれど私は想像力と言うのか分からないがそれに似たものが無いと言うか限りなく薄いのだと思う、例えば人生で一度くらいは怒られた事があると思うのだがその中で自分がこんな事されたら嫌でしょ?と言われた事がある人は決して少なくはないと思う、みんなそれを聞いて確かに嫌だなと思いやってしまった事を謝罪し反省もした事だと思う、けれど私はそれを言われてもどれだけ嫌かが想像出来ないし分からない、まずまずそれをされて自分は嫌なのか自体が分からない故に私は嫌か分からないなんて生意気にも聞こえる本音を言うが理解されない、理解されないから想像したら嫌だと言って切り抜けてきた。好きなタイプを聞かれた時みんなこんな子がいいと考えるだろう、けれど私は頭の中でどんな子がいいかなんて思い描けない。友達が恋人と別れたと言ってきたら辛かったろう悲しかったろうと言って慰めはするがそれがどれだけ辛くだけ悲しかったか、ましてやほんとに辛かったのか悲しかったのかなんて私には到底分からない。最近自分が死んだ時のことを考える、だが自分が死んだ時親や友達は泣いてくれる気もするしケロッとしているとも思えてしまう、大事に育ててくれたと自分でも分かってはいる、いるけれど泣いてくれるか分からないしどんな反応なのかも分からないのだ。けれども私はこれで辛いと思ったことは無い、なぜなら「ちゃんと想像出来る自分」というものが想像出来ないから、中学生の頃担任にお前はイカれてると言われた事があるが何とも思わなかった、思えなかった。きっと私はこの時悲しい思いをするべきだったのだろう、ショックを受けて反省するべきだったのだろう、だが私はそんな事思えなかった、思った事があるとすれば[そうなんだ]くらいである。こんな人物では当然怒られる事も多い訳で沢山のお説教を受けてきた、そんな私は疲れてしまったのか死のうと思った事は幾度とある。だが今私は生きている、勇気がなかったのだ。アニメや漫画、ゲームの世界ならそれはお前が生きたいと思っているからなどと言われるかもしれないが別に死にたいと言う気持ちに嘘偽りはない、けれど私は1つちゃんと思えた事があった。そう、「恐怖」である、私はいざ死のうとした時、死ぬのか怖かった、それ以外の事なんて微塵も思えず、共感も出来なかったくせに恐怖心だけは一丁前にあった、だから私は今日も生きている。なんとも思っていないゴミのような自分を偽り、共感している振りをし、人に優しく接する。あぁ...私は今日も生きている。

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