16話:ローズ・シャイニング


※ローズ視点※


 私たち『天元突破』はダンジョンの10階層を攻略中。玄室の扉を開けると広い部屋の奥に、全身に炎を纏う巨大なサラマンダーが5体。


「『氷刃嵐アイスストーム』!」


 サラが魔導士第5階梯魔法で先制攻撃を仕掛けると、私とラウルは同時に部屋に飛び込む。


 サラが狙われないように正面から突撃。ブレスの予備動作を見極めて、私とラウルは左右に分かれて跳ぶ。誰もいない空間を炎のブレスが焼く。そのまま走り続けて――よし、距離は十分近づいたわ。


「『聖光剣ホーリーライトソード』!」


 聖騎士パラディン固有能力オリジナルアートを発動すると、剣から光の刃が長く伸びる。


 横凪ぎの光の斬撃がサラマンダーを纏めて切り裂く。サラの魔法でHPを削られたサラマンダー3体が消滅して、大量のコインとドロップアイテムだけが残る。


「ローズ、随分張り切っているじゃねえか。後は俺に任せろ!」


 ラウルは低い姿勢で床を駆け抜けると、2体のサラマンダーを大剣で続けざまに真っ二つにする。


「ローズ、最初から飛ばし過ぎよ。エイジに影響されたんじゃない?」


「影響されていないって言ったら嘘になるけど、魔力MPの管理はしっかりやるから問題ないわ。エイジにあれだけの動きを見せられたら、こっちも負けられないって思うじゃない!」


 昨日の模擬戦で私の剣はエイジに真面まともに当たらなかった。最初は私も本気じゃなかった。だけど全然剣が当たらないから、途中から本気になったのに、掠り傷程度しか与えられなかった。


 エイジの剣は決して洗練されている訳じゃない。だけど理にかなっている。戦いの中で試行錯誤して磨いた剣だ。冒険者としては新人かもしれないけど、エイジは結構な場数を踏んでいる筈よ。


 固有能力オリジナルアートを使っていれば結果は変わっていたかも知れない。だけど模擬戦で固有能力オリジナルアートを使うのはさすがに反則だわ。


「なあ、サラ。エイジは本当にソロでダンジョンを攻略できると思うか? ソロだと浅い階層でも結構リスクがあるぜ」


「私だって半信半疑よ。だけど昨日も言ったけど、エイジはまだ何か隠しているんじゃないかしら?」


 エイジはソロで挑むことに勝算があると言っていた。適当なことを言うとは思わないから、私はエイジを信じるわ。


「エイジはエイジ、私たちは私たちよ。他人の心配をしている暇があったら攻略を進めるわ!」


「ローズも言うじゃねえか。だがその通りだぜ。俺たちはもっと上を目指しているんだからな!」


 『天元突破』はクランベルクの若手冒険者の中でトップクラスの実力だと言われている。だけど私たちより強い冒険者だってたくさんいるわ。もっと強くなって、私たちは誰にも負けない冒険者になってやるんだから! 


 ラウルとサラは年上の幼馴染で、私たち3人はクランベルクの近くにある小さな村で生まれ育った。2人は2歳年上だから、私よりも先に冒険者になった。


 私が冒険者になったとき、ラウルとサラは別の冒険者とパーティーを組んでいた。だから一緒にパーティーを組むことはない。そう思ってパーティーのメンバーを探しているときに、2人が仲間と喧嘩しているところを偶然見掛けた。


「なんで、てめえらはそんなヌルことをやっていやがるんだ? もっと強くなりたいと思わねえのか!」


「現状に満足している貴方たちとは、もう一緒にパーティーを組めないわね」


 幼馴染みの2人が悔しそうな顔をしていたから、私は黙っていられなかった。


「ラウルとサラは私とパーティーを組めば良じゃない! 3人で最強を目指すわよ!」


 今思うと最強を目指すなんて言った自分が恥ずかしいわ。だけど私たちが本気で強くなりたいと思っているのは本当のことよ。


 3人で強くなるために話し合って、ラウルとサラは新しいクラスを選択してマルチクラスになった。2人がマルチクラスになったのはパーティーのためでもあるけど、それだけじゃない。マルチクラスのメリットを考えて選択した。


 私たちはパーティーを組んで2年でここまで来た。どうすれば強くなれるか、それだけを考えて駆け抜けて来た。私がここまで来れたのは、ラウルとサラのおかげ。どれだけ感謝しても足りないくらいだわ。


 だけど私たちはパーティーの仲間だから、言葉で伝えるんじゃなくて、私が強くなることが一番のお礼になることは解っている。


 次の玄室の扉を開けると、中にいたのはアイアンゴーレム7体。10階層に出現する魔物の中では強敵な上に数が多い。


「『魔力爆裂マナエクスプロード』!」


 サラが迷いなく魔導士第7階梯魔法を放つ。指向性のある魔力爆発がアイアンゴーレムを全て飲み込む。それでも仕留められたのは3体だけ。


「『聖光剣ホーリーライトソード』――ラウル!」


「ああ、解っているぜ。ここは出し惜しみなしだ――『強化連撃フルコンボ』!」


 ラウルが戦士ウォリアー固有能力オリジナルアートを放つ。『強化連撃フルコンボ』は派手さはないけど、STR素早さAGIを50%増加する。私とラウルは残り4体のアイアンゴーレムを殲滅した。


 エイジはきっともっと強くなる。一緒にパーティーを組まなくても私たちはもう仲間だから、エイジに負けないように頑張るわ!

 

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名前 :ローズ・シャイニング 17歳

クラス:聖騎士パラディンレベル20


HP 200

MP 124

STR 54

DEF 53

INT 42

RES 41

DEX 43

AGI 44


[スキルリスト]


聖騎士戦闘パラディンコンバット レベル20

司祭魔法プリーストスペル レベル13

死霊退散ターンアンデッド レベル13


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