第4話 ごめん
紀子は「今更何のご用?」とご機嫌斜めに武人を見て居た。
武人は「さっきは、ごめんな?俺、冷静に考えて」と言い掛けたのだが、紀子が「あなたに謝って貰う必要は無いわ。さぁ、帰って」と武人を家から追い払おうとした。
武人が「待ってくれ。俺、今まで紀子が走り幅跳びをうまく跳べないのを知って居て、紀子が影ながら走り幅跳びを練習している姿を見て応援して居たんだ」と紀子に気持ちを伝えた。
紀子は「何で、その事を今まで言わなかったの?」と不思議そうに首を傾げた。
武人が「だって、俺は昔からシャイだからそんなに素直な事は言えないよ。ましてや好きだなんて」と顔を赤くして居た。
紀子が「そう言う所が可愛いくて放っておけないし、好きなんだよ」と思わず照れて居た。
武人が「俺は紀子の事好きだったけど、他に好きな奴が居たらと思うと素直に言えなかったんだ」と紀子に伝えた。
紀子が「ありがとう。武人」と手を繋いでその日は家に帰った。
今になると甘酸っぱい切ない想いが胸を締め付けて離れなかった。
君の声 影山 みはつ @mihatsu1865
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