第3話
「指先に灯る小さな炎、
「土塊よ我が手の上に、
あれから授業は5回目になった。サイエンは簡単な魔法なら詠唱しさえすればある程度の調整までできるようになり、発展したものや応用、得意不得意を調べるかどうかこれからの授業方針を聞くことにした。
「応用がいい、一人で色々できるようになりたい。」7歳児と思えぬ発言だ。
「わかりました。大きさを変えるための詠唱や打ち出す速さ等からやっていきましょう。」
サイエンは素直に授業を聞くようになった。才能が目に見える形で実力に変わるのが嬉しいらしい。正直教えることがもうない。あとは1人でもやれるし応用に関して言えば発想力次第だし。
「先生は何を書いてるの?」サイエンが魔法の制御の片手間に大きさに聞いてきた。
「レポートですよ。魔法の習得、上達に詠唱がどの程度関わるか、今回のデータを追加しています。」ライフワークになりつつあるレポートの紙束を軽く叩く。
「サイエンさん、あなたに教えることは正直ほとんどありません。詠唱の応用や魔法そのものの制御はこれから地道にやっていく他ないことなので。」
最後の授業になった。才能溢れる子の教育は楽しいな。詠唱魔法の発展や使い手が増えることにも繋がるし。
「最後の授業です。これは私が見つけた詠唱魔法の発展の1つ。」そう言って魔力を練り上げる。
「詠唱、輪唱。」
「それは災いの1つ、逆巻く風、唸れ、薙ぎ倒せ、全ては嵐の慈悲に縋りつく。」
「それは災いの1つ、逆巻く風、唸れ、薙ぎ倒せ、全ては嵐の慈悲に縋りつく。」
「それは災いの1つ、逆巻く風、唸れ、薙ぎ倒せ、全ては嵐の慈悲に縋りつく。」風が渦を描く。詠唱が重なり渦は3つに増える。
「
「魔力、霧散」俺の言葉によって嵐は徐々に消えていく。
「すごい」サイエンの唖然とした顔を見て俺は満足した。
「研鑽を積めばあなたもできるようになりますよ。」授業はこれで終わりだが魔法の探求には終わりがないと締めくくる。
「はい、ありがとうございました。」13人目の教え子の授業はこうして終わった。
詠唱魔法を諦めない 田奈涼 @ultlive
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