それを愛とよぶなら

みぃ

トワを泳ぐ







胸の奥に流れる

しずく

それを愛とよぶなら

凍えそうな夜の

欠片を拾い集めるみたいに

あなたの笑顔を探している

遠い日に交わした言葉が

今も胸を焦がす

痛みと、ほんの少しの温かさで

忘れてしまいたいのに

忘れられない

この気持ちに名前をつけても

あなたには届かない

それでもいい

この切なさが

あなたを想う唯一の証だから

涙の粒が

心に咲く花になるまで

静かに、ただ静かに

この愛を抱きしめる




静寂の波紋



静寂に落ちるひとしずくが

水面に揺れ 幾重もの波紋を広げてゆく


それは、あなたの言葉

私の心にそっと触れ

さざ波を立てる

愛の語らいは

光をまとう雫のように

きらきらと輝く

言葉の一つ一つが

互いの胸に満ちてゆく

やがて、二つの雫は溶け合い

大きな流れとなり

今は、満ち足りた静けさの中に

永遠の愛を語り続ける






静寂に宿る波紋

音なき湖面に

ふと落とされた一滴のしずく

小さく、ゆるやかに

広がる輪が

心のひだをなぞっていく

波紋はやがて

岸辺に溶け

元の静けさに戻る

けれど

水底にはたしかに

さざめきが宿り

見えない光を放つ

静けさの中にこそ

響く音がある

それはそっと

心の奥に

宿る波紋


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

それを愛とよぶなら みぃ @miwa-masa

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ