第2話 なんとなく気になる男の子

放課後、ゆきのは同じ中学から来た親友のミカと校庭を歩きながら、ついヤスの話を振った。


「ねえ、ミカ、ヤスってさ、なんか不思議だよね。頭いいのに、ロードバイク詳しいとかギターとか、めっちゃ多才じゃん?」


カンの鋭いミカはニヤリと笑い、


「ゆきの、アイツに気があるでしょ? でもさ、ヤスってなんか女子に興味なさそうじゃない?

話しかけても、そっけないしさ。」


と返した。ゆきのは「気があるとか、そんなんじゃないよ!」と頬を赤らめ、ごまかすように笑った。


「ゆきのは、中学と同じ美術部入るの?ミカ、軽音入るけど、ゆきのもやってみない?ヤスも見に来てたよ。」


「え〜、ミカ中学の時はテニスだったのに、軽音?あ、元々ピアノ上手いよね。ゆきのは楽器できないから無理だなぁ。」


「でもさ部室は隣だから、ゆきの、一緒に帰ろうよ。」


「そうだね~。ミカと一緒に帰りたい。」


ミカはいわゆる1軍女子タイプで、ゆきのと全然タイプが違うがなぜか仲がよい。付き合いは小学生の頃からだからきっとなぜか合うんだろう。







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