第3話 ここはいったいどこ?
僕の身長程もある草木が
辺り一面を覆っている。
「ここは……どこだ?」
と僕は身体を起き上がらせると、
考え始めた瞬間だった。
シュン……ポス……。
足元の地面にソレが飛んで来た。
僕が『ソレ』が何かを確かめることもなく、
続けざまに……。
シュン シュン ポス ポス ポスと
『ソレ』が飛んで来て僕の周囲を囲むように
地面に突き刺さった。
僕は『ソレ』を見て驚き声を出した。
「石矢? え~!」っと……。
四方を石矢で囲まれ、
身動きがとれなくなった僕……。
カサ カサ カサと草木をかき分ける
音がした。
僕は恐怖のあまりゴクっと息を飲む。
カサ カサ グシャ 草木が倒れる音、
一人目の男が僕の目の前に現れた。
そして後から二人の男たちがやって来ると
僕をじっと見た。
男たちは座り込む僕の腕を引き上げ無言で歩き出す。
「ちょっと! あなたたち、何なんですか?
離してください!」
僕は、抵抗するが僕の腕を掴んでいる彼らの
力の強さにどうすることも出来なかった。
草原を歩く僕。
周囲を見渡すと、
店も、民家それどころか道路も見えない。
見えるのは、遠くに見える地平線……。
どのくらい歩いただろうか……
辺りはすっかり夕暮れの景色に変わっていた。
僕はへとへとになりながらも男たちに
連れられて歩いた。
松明に火がともされた頃、
僕を連れた男たちは大きな洞窟の前で立ち止まる。
ひとりの男が叫び声をあげた。
「ウォーン、ウォォォ」
奇声ともとれる声に僕は驚き身をかがめた。
洞窟内に響き渡る男の叫び声。
音は洞窟の奥にまで広がっていくのがわかった。
広がった音が消え、暫くすると
洞窟の奥の方に微かに灯る火……
それが、こちらに向かって動いてくるのが
見えた。
松明の灯りに浮き上がる人の顔……
「女……?」
松明を持つその女は道案内するかのように
僕と男たちを洞窟の奥へと導いた。
洞窟の一番奥に着くと、そこは広く
平らな場所になっていた。
広場には石で出来た舞台のようなものが
あり、そこには、テレビドラマ等でよく見る
『長老』らしき人物が座っていた。
当然の如く僕はその長老の前に連れていかれ
跪かせられた。
首を垂れた僕は、
ずっと、ずっと言えなかったことが
あることに気がづく。
「ここは……いったいどこだ?」
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