第23話 交戦

1F、2Fの魔物では大仏の相手にならないが、素通りだとさすがに警戒される為ある程度は当たらせる。残りはポイントの浪費を避け最終フロアに集結させる


落とし穴の大量配置も考えたが、敵のルートが分からないしあの大きさでは穴に入らなそうだ

その他の罠についてもダメージが期待出来ない以上、ポイントの無駄だろう



寒さに凍えながら途中で帰ったりしてくんないかなと思っていると

1時間もしない内に敵の一行が最終フロアにまで到着する


魔王:キクイリ

体も細く、目も細い。鼻は高いが何故か恰好いいとは感じない

うん、性格悪そうだな。俺は人を見た目で判断するタイプなんでね



相手の手勢を見ると

オーク30体にゴブリンメイジ、アーチャー、インプが5体づつに、魔王と眷属の女2名に男1名

奇襲を警戒してか、後方にもオークを並べている


こちらは女性陣2人に加え、オークが10体にインプが30体、ゴブリンメイジとアーチャーが10体づつだ。数ではこちらが勝っているが質では完全に負けている


質で負けているのは元から分かっていた


「おい、お前降参するならーーー」


「合体だ!!」


何か言おうとしていたが、遮るようにして叫ぶ。相手のペースに合わせないのが大事だ。この掛け声と共にスライム達が一塊になろうと積み重なっていく


「お、おい!あいつらを止めろ!!」


話を遮られ、慌てた様子で叫んだ敵の命令と共に、大仏とオークたちがスライム目掛けて突っ込んでくる。と同時に、敵の魔法である大きな火の槍も一緒にスライム達目掛けて飛んでくる


「火の槍⁉Lv.3の魔法ってことか!」


敵の魔法に対抗するように俺は火魔法を使えるインプとゴブリンメイジと共に火魔法を放つ


想定以上の敵の火力と集中攻撃により、スライム達が消し飛ばされる

その瞬間、スライム達を攻撃するべく突進してきた大仏とオークたちの足元が大きく沈みこむ


「良かったよ。お前が元ネタ知ってくれてて」



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