第15話 部屋着

これって造命も人によって違ったりすんのかな…


キャプテンゴブリンだけポイントが高い割に能力値が低いと思ったが

10匹程度のゴブリンをまとめて簡単な作戦や、罠を作ったり出来るらしい

しかし、ゴブリンライダー等の進化系は命令を聞かず指揮が出来ないとの事


ポケ〇ンみてえだな

ジムリーダーのバッジが必要なのか更なる進化が必要なのか

間違いなく後者だろうがちょっと楽しくなってきた


さて、大量に貰ったポイントで

モンスター達を召喚すると午前中が終わったし


昼食を食べてユキを呼び、今後の予定を立てる事とする


「そういえば、ユキにはアリシアみたいな

 サポートキャラみたいな奴がいないのか?」


「誰かなって思ってたんですが、そんな方がいたんですね…

 私は設定とヘルプで調べるしか出来なかったです」


色々と照らし合わせてみると、結構知らない話が出てくる


アリシアをAIみたいに使っていたから、自分ではあんまり調べて無かったぜ

改めて調べてみると、思ったよりも新情報が出てきた


「私はバグ的な存在のご主人様に色々説明する為に来てる感じです」


ちょうどいいので、俺のバグについてアリシアから説明して貰った

細かい点は説明するのが面倒だから助かる


陽キャの件についても説明した。陽キャも俺に対して明確な殺意を持っていた訳でもないが

「俺を殺しにきた」と強調しておく。とりあえず、嘘でもこういうのは言い切るのが大事だ

隠し事をして後からバレるよりは今軽蔑された方がマシだ


だいぶ怯えた目をされたが、こいつの命は俺が握っている

どういう感情があっても、俺が死ねばこいつも死ぬし協力するしかないだろう。

明日は友人と予定があるとの事で、日曜に他のダンジョンに潜ってみる事にした



さて、あとは引きこもりをどうにかしないとな…

余ったポイントを使って個室にバスルームを造り

俺の性癖に合った部屋着を持ってお邪魔する


「バスルーム作ったから、お風呂入ってみたら。着替え置いとくから」


「…」


返事は無い


「夕飯、すき焼きにしようと思うんだけど大丈夫?」


「…」


うーん、とりあえず外に出よう


すき焼きの準備をしていると、シャワーの音が聞こえてくる

とりあえず、入ってくれてるみたいで良かった


「死ぬ前に体を清めてるんですかねえ」


相変わらず、不吉な事をいうガキだ


「んー、風呂も入らず腹ペコなら死にたくなるだろうけど

 風呂上りで満腹になれば命が惜しくなるよ。人間ってのは」


すき焼きの甘じょっぱい匂いに釣られたのか部屋から出てきて

食卓の前に座った


「いただきます」


「…」


無言だが、もくもくと食べ始めた


「ずずっ、ひっく、…うぇっく」


泣きながら食べている

いや、食べながら泣いている


どうせ返事がこないだろうし、スト〇ロのレモンと

ほろ〇いのピーチを開けて両方とも近くに置いておいた


すると両方とも音を立てて飲み干していく

「いける口だな…」なんて思いながら、今度はビールと甘い系を置いておく


5本目に差し掛かったあたりでようやく口を開いた


「…なんで殺したの」


「お前らが俺を殺しに来たからだよ」


「そんなつもりじゃない!私たちはただ~」


酒の勢いもあってか喚きたてている

しかしそんな事一切耳に入ってこなかった


何故なら



【めっちゃムラムラしているからだ】


アリシアが来てからはさすがに気を使って禁欲していた

それが5日目、さらに命の危機にあうと性欲が上がる「男の性おとこのさが


そして目の前に風呂上がりの酒に酔った若い女だ

ムラムラしない訳がない

怒っているのが逆にこっちを誘っているようにも見える


風呂上がりのいい匂いに、酒でうっすら赤くなった泣き顔

俺好みの薄い部屋着に包まれた体は

出るとこ出ていて、これを思い通りにしていたとは死んだ陽キャが羨ましくなってくる



ムラつく本能を理性で押さえながら喋る


「まあ、議論をするつもりはないよ。俺が死ねば君も死ぬし

 ああ、ご家族へは君のスマホで連絡しといたから、今日帰っても大丈夫だよ」


スマホのFace IDも考えものだな


「勝手にスマホ見たの⁉⁉」


まあ、キレられるよなあ…

俺は主人の眷属に対する権限を行使する


「っ…⁉⁉」


反抗的な眷属に対する罰で

苦痛を与え、声を出せなくした


「まあ、納得はしないだろうけど

 俺にはこうする事も出来るわけで、仲良くしようよ」


こうしていてもらちが明かないしな

涙目で睨み付けてくるが、気にせず実家の住所と学校名を

把握している事を伝えると大人しくなった


とりあえず今日は実家に帰るように言い

明日は休みを上げるが、日曜はダンジョンに一緒に潜るよう伝えておく


「いや~、めっちゃ怒ってましたねえ」


「まあ、自分でもさすがに嫌な奴だなと思うよ」


自己嫌悪の気持ちも出てくるが、他にどうしていいか分からないしな


「今日はちょっと1人にしてくれないかな」


ちょっと落ち込んだ顔でいうと、アリシアはどっかに行ってくれた


その夜捗ったのは言うまでもない

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る