第13話 決着
Lv.2で固有スキルという事は、元からその才能があったいう事か…
幸いにも鎧の騎士はユキを守るように立っており、こちらには向かってこない
まずはグリズリーの対処だ。盾を持ったライカン2人を並べ、中列にゴブリン3体を配置し
残りの2体はユキを牽制する
と思っていたが熊の一撃で盾を構えたライカンが吹っ飛ばされた
さすがの体重差だな。予想は出来てたので、中列のゴブリンには槍の柄尻を地面に突き刺し
突っ張るような形で熊の突進に備えさせる。また、砂弾で一瞬だが視界を封じ
残りのライカンもダメージを与えるのは諦めて盾で熊に突っ込ませ、動きを阻害させる
大した時間は稼げていないが、出来るだけ魔王の直線上へ立たないよう動き回りながら
身体強化を掛け、熊に蓋を開けた缶を投げつける。中の液体が周囲に飛び散り
熊とモンスター達にかかっていく
すると、ユキの放つ尖った氷の塊が体を掠めていく
「あっぶねえ!!でも火魔法じゃなくてよかった~」
なんて思っていると、目の前で熊さんが思いっきり振りかぶっていた
「ゴギャッッッ」
振り下ろされた一撃で鈍い音と共に左手に装備していた皮の盾を易々と破壊され吹っ飛ばされた
ゴロゴロと転がりながらなんとか体制を立て直す。
皮の鎧がついた腕からも出血しており、折れていないか確認したいところだったが
熊は即座に距離を詰め、大きな口を開けていた
俺は左手を構え、熊の噛みつきへの盾とした
「痛ってえぇぇぇ!!!!」
痛みに耐えながら、食いちぎられる前に俺は熊に手を当てながら火魔法を発動する
普通なら火球を形成するのに時間が必要だが、その必要は無い
火がついた瞬間に一瞬にして熊は炎に包まれた
俺が投げつけていたのはホームセンターで購入したライターオイルだった
熊は噛みつきを辞め、転がっていた
射線の熊を巻き込むため、氷魔法を発動できないでいたユキに俺は残っている配下を突っ込ませる
熊の火による火傷のダメージは不明だが火に包まれ、オイルが燃えたことにより
揮発した成分と合わせて一酸化中毒になったのか、動きが相当鈍くなってきている
俺の右手にも火はついていたが、左手の血ですぐ消火できた
俺はポーションの効力を身をもって体験した
これなら後で十分治療できる
後はお決まりのパターンだ。痛みに歯を食いしばりながら「強肩」を発動し鉄の槍を投げ込む
少しでも落ち着いてしまったら、激痛で動けなくなってしまうかもしれない
右利きの俺は投げるだけなら何の問題も無い。銅の槍は全てモンスターが使っている為
『
固有スキルで即座に竹やりを11本作り出し、「強肩」で投げつける
槍を投げる合間にユキに向かわせたモンスターを見ると
ゴブリンが3匹やられているものの、ライカンは無事だった
8本目を投げ終えるとグリズリーは絶命した
ユキの方を見ると、ライカン1匹とゴブリン1匹しか残っていないものの
鎧騎士は片手、片足を失っていた
俺はグリズリーから得たポイントで「小鬼の頭目」を発動しゴブリンを3体召喚
さらに「残鍛迷途」で竹やりを持たせ、突っ込ませる
俺はすぐには参加せず、ポーションを2本取り出し1本は飲み干し、もう1本は傷口にかける
一呼吸置いて回復してから俺は竹やりを投げて2本目で完全に鎧騎士を倒した
もう、前衛はいないゴブリンとライカンに囲まれたユキに対して選択肢を突き付ける
「ここで死ぬか、眷属になるのか選んでもらっていいですか?」
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