第12話 「24時間働けまっす~か~」
さすがに24時間は無理だ
俺程度の社畜だと23時を回ると機能停止に陥るが、まだ21時
これからが本番といってもいいだろう
ニートになったにも関わらず、何故か社畜の頃の気持ちになっていた
ダンジョンに潜っている時でも顧客からの着信バイブが鳴っている気がするのは何故だろう
なんて事を考えながら俺はレンタカーに先ほど出したライカンとゴブリン達を乗せて運転している
安心してほしい道路交通法は多分守っている
窓からも見えない様に窮屈な姿勢で姿もしっかりと隠している
行先はもちろん今日潜っていたダンジョンだ
今日、俺はこのダンジョンを征服する
自分でも強引だとは思うが、無理してでも攻める理由は
「早い内に攻めないと相手も強くなっていく」からだ
初期なら相手のポイント数も把握できるし、ダンジョンもおそらく2階層しかない
しかし、3日生き残っただけでポイントが増える現状から考えると
これから魔王はドンドン強くなるし、そうするとダンジョンに入ってくる勇者を狩りやすくなり
更に強くなってしまう。その好循環に入る前に、倒さないとマズイ
それに今も魔王は強いと言えない以上、勇者が打ち取ると強力な敵になってしまう
勿論、俺みたいな弱者男性と違い、初期から強力なスキルやステータスを持ってる魔王もいるだろう
俺だって、自分が人より優れているなんてこれっぽっちも思っていない
だからこそ、最低でも逃げれるように、身体強化で逃げ足を早くし
囮を出せるよう、ゴブリンの召喚スキルを取った
さらに自分以外の力を使えるように
・SNSを使っていいアイテムが出ると勇者を誘導し、相手のモンスターを削る
・さらにその集まった勇者達とパーティを組み、さらに相手のモンスターを削る
といった方法を取ってきた
また、明日の朝になれば毎日のボーナスが支給される為、攻めるなら今がチャンスだ
近くの駐車場に車を停めて、急いでモンスター達を連れてダンジョンへと向かう
朝霞市は駅近くじゃなければ大して人通りもないし、夜という事もあって無事に入れた
そのままダンジョンを突っ切る
昼間に削ったおかげかモンスターはほとんどいない為素通りできた
索敵でダンジョンのマップを確認しながら進むと
次のフロアへの入り口らしき箇所を見つけた
ボタンを押すと、大きなエレベータの入り口のような物が出現した
先行組が時間差で袋叩きにされないように、リスクはあるが一斉に中に入る
自分のダンジョンに似たような広間には
巨大な茶色の塊と20歳くらいの女性が1人いた
あれがどうやら魔王らしい
「グオオオオオオ!!!!!」
3日目のボーナスポイントから察するに、何がいるかは大体想像がついていた
急いで前衛にライカンとゴブリンを並べる
ステータスを確認すると
『魔王:Lv.2 山下ユキ』
少なくともLvのアドバンテージはこっちにあるなと思った矢先
「固有スキル
剣を持った鎧が姿を現した
あれっ…???
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