五日目~ ②


[//SE] ソファのクッションが沈む音、布が擦れる音


「はい、お兄さん。こっち来て。……横になりなよ。そうそう、そのまま頭こっちに。膝枕のかんせーい」


[//SE] 膝に乗る音


「ん? 何その顔。“ロボの膝枕なんて変だ”とか思ってるでしょ。ふふ、言いたいことは分かる。でも、一回乗せちゃえば案外悪くないんだよ、これが。ほら、固くないでしょ? 人工皮膚とか使われてるからね。クッション性も抜群ってわけ。お兄さんが普段使っている枕よりも寝心地が良かったりして……ね」


[//SE] 近づく音


「……どう? 私の声がすぐ上から降ってくるでしょ。……耳に直撃って感じで。お兄さん、気持ちよさそうな顔してる。もしかして、ホントに枕よりよかった? でも、まだ寝ちゃ駄目だよ」


「そう、もっと直接リラックスさせるって言ったでしょ。だから……マッサージ開始。まずはこめかみから」


[//SE] 指先でこめかみをぐるぐると押す音。軽い摩擦音


「……ん、ここ硬いね。目の奥まで張ってる感じ。……一日中パソコンとにらめっこでもしてたの? あ、ビクってした……図星か。ほら、集中してゆーっくりと押していくよ。うん、少しはスッキリした?」


「じゃ、次は首筋」


[//SE] 指で首筋をなぞり、押し込む音。軽く筋肉をほぐす音


「ここ、凝ってる。触るとちょっとくすぐったい? こら、逃げない。もう少し、力を入れてって? 駄目、強すぎるのは逆効果だから。優しめぐらいがちょうどいいんだって」


「そうほぐれると一気に楽になる場所。お兄さん、息が少し深くなった。リラックスしてきた証拠だね」


「はい、肩も触るよ」


[//SE] 肩をもみほぐす音、ぐっと力を入れて解す音


「あー、ここはちょっとすごいね。固まってる。石みたい。お兄さん、よく今まで倒れなかったね。潰れる寸前って感じ。完全にキャパオーバーじゃない?」


[//SE] 髪を撫でる音、さわさわと優しい布の音


「ねぇ……お兄さん、なんでそんなに無理してるの? 頑張るのは美徳だけどさー、もうちょっと、緩くいきてもいいんじゃない? パンパンの風船みたいに破裂しちゃうよ? そんな自覚ない?」


「あー、目逸らした。やっぱり自覚はあるんだ。言葉にしなくても顔に書いてあるよ。“だからメイドロボを購入しようとしたんだろ”って言われても、メイドロボをレンタルしてこれっていうのもヤバそうだけどね」


[//SE] 耳元に吐息をかける囁き


「まあ、いいよ。だったら、もう少し素直にお世話されてなって。こうやって膝枕で耳元私の声聞いてさ。それだけでも回復するんだから。お兄さんも例外じゃないはずだよ。こんな声でいいならね」


「うん、マッサージが聞いてきたかな。目が半分閉じてる。力抜けてきた。今くらいは頑張らないで、ただのお兄さんでいなよ。それくらいの余裕、あってもいいはずだから……」

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