あたりまえ

窮鼠猫

第1話

きっと、色々なことが“あたりまえ”になっていく。


交通ICで改札を通るときの音が、周りと一緒の音になること。


部活動に入り、何かに打ち込むようになること。


20歳になり、それまで憧れていたお酒を飲むようになること


社会人になって、初めはしんどかった早起き。


親の手を借りずに、どこかへ旅行するようになること。


そんな、憧れていたことは、あたりまえへと変わっていってしまう。

それは、成長でもあり、時間と共に育っていったことである。

憧れの気持ちは、日に日に薄れていき、なくなってしまう。


こうしてできた“あたりまえ”


慣れとも言い換えができるこのことを、私は少し味わい切れていない。


出来ないもどかしさ、それを早く払拭しようと、出来るようになろうと、そう思うのと同時に、まだ、あたりまえになっていないことへ


もっと長い目で愛でていたい。


きっとあたりまえに成ってしまうことを、当たり前になる前に


苦節のような、新しさを


愛でながら、“あたりまえ”へと気化させたい。

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あたりまえ 窮鼠猫 @kyusoneko

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