レンタルカート リライト前
シューズに、ジーパン、ドライビンググローブをつけてヘルメットを被る。レーサー気分、
一旦シートに立ってから、カートに乗り込み、シートとアクセル、ブレーキの位置を確かめる。
大分たりない、足が短いのだ。仕方がないので緩衝材を頼む。
左足でしっかりブレーキを踏みエンジンをかける。
周りを確認しブレーキを放し、アクセルを踏む。
コースの侵入路に向かう
侵入路の中で少しスピードをのせ、一時停止線に合わせて、
フルブレーキ、ブレーキの様子を見る。
どれ位踏むと、きき始めるのか、まっすぐ止まるのか時々ちょっと曲がることがある。
アクセルを開けて、左手を上げコースイン最初の一周は様子見、タイヤのあったまり具合、コースの状況、砂、砂利がないことを確認。
誰かが乗ったすぐ後だったので、タイヤはOK、コースもほぼ一周回っていつもと同じコンディション。
ちょっと早いのだけど、2周目にタイムを出すため、左曲がりの最終コーナーのクリッピングポイントがなるべく奥になるようにライン取り、アクセル全開、そのままホームストレートを走り抜け、1コーナーは、ブレーキを踏まず、高速を維持したまま、右曲がりの2コーナー入口へ、ここがこんじょうの見せ所、アクセルを半分残したまま、軽くハンドルを右に切り、軽くブレーキを踏む、というかタッチする。車体がスピンしかけるので逆にハンドルを切り、タイヤがスピンしない程度にアクセルを開ける、次のしダリ曲がりのヘアピンが曲者というか、いつも2コーナーでいっぱいいっぱいになってしまい、せっかく、のせたスピードがいかせない、なんとなく曲がって、左曲がり長めの高速コーナーを抜け、テクニカルコースへ
最初に待っているのはトリプルコーナー、一つ目緩い右曲がりのコーナーはハンドルでかわし、二つ目の左曲がりのコーナーを右側に思いっきり体重をのせ、クイックに曲がっているつもり、車体が三つ目の右曲がりのコーナーに向いたらすぐに左側へ体重移動、続くS字コーナーを無難にこなし、一周目と同様に左曲がりの最終コーナーのクリッピングポイントがなるべく奥になるようにライン取り、アクセル全開、ホームストレートを走り抜ける1コーナー手前でタイムの確認ができる。36.133秒……、悪くないが、まだまだ修行が足りない。
レンタルカート
ジーパンにシューズ、ドライビンググローブをはめ、ヘルメットを被る。
鏡に映る自分に、一瞬だけレーサー気取りで笑ってみる。
カートの横に立ち、シートに片足をかける。
深く腰を下ろし、アクセルとブレーキの位置を確かめる——
……やっぱり、足が届かない。あとほんの少し。
諦めて、緩衝材を頼む。
左足でブレーキをしっかり踏み込む。
エンジンをかける。震えるようなエンジン音が体を包む。
視界を確認。ブレーキをそっと緩め、アクセルを踏む。
ゆっくりと、ピットロードを進む。
途中、少しだけスピードを上げて、一時停止線でフルブレーキ。
前輪に荷重がかかり、キュッと音を立てて止まる。
まっすぐ止まれた。今日は当たりかもしれない。
左手を上げて合図。
いよいよコースイン。最初の一周は慎重に。
タイヤの温まり具合、路面の砂や砂利の有無をチェック。
他の走者の直後だったおかげで、タイヤのグリップは良好。
コースもドライ。ほぼベストな状態だ。
予定より少し早いが、2周目でタイムを狙いにいく。
最終コーナーは左曲がり。
なるべく奥のクリッピングポイントを狙って、アクセル全開。
リアが軽く滑る。抑え込むようにステアリングをキープ。
ホームストレート。
風が全身を叩く。振動が骨に響く。
1コーナーはノーブレーキ。
そのまま高速を維持しながら、2コーナーへ。
ここが勝負どころだ。
アクセルを半分残したまま、軽くステアを切る。
同時に、ほんのタッチ程度にブレーキ。
リアが滑り出す——
すかさず逆カウンター。
スピン寸前で押さえ込む。
タイヤのグリップが戻った。アクセルを踏み直す。
だが、次のヘアピンが鬼門だ。
2コーナーの処理でいつも手一杯になり、
せっかく乗せたスピードを殺してしまう。
今回は——やはり同じ。
少し流れ気味に突っ込み、減速しすぎた。
左へ長く続く高速コーナーを抜け、
テクニカル区間に入る。
最初はトリプルコーナー。
緩い右は流すようにハンドルを当て、
すぐに体を右に傾け、左カーブを鋭くクリア。
その勢いで右コーナーに体重を移動。
車体の挙動を感じながら、タイトにS字へ。
リズムを崩さないように丁寧に抜け、
再び最終コーナーへ。
ライン取りに全神経を集中。
アクセルを踏み抜く。
ホームストレートを駆け抜ける。
1コーナー手前。視界の隅にタイムが点滅する。
——36.133秒。
悪くはない。
だが、まだまだ先は長い。
次こそ、限界の一歩先へ。
Ringoフォーミュラランド戦記 ―レンタルカート― 青月 日日 @aotuki_hibi
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