魔法の森と白銀のフクロウ
@tatsu807
第1話 衝撃的なテスト
僕の名前は松本亮。今年の春に中学二年生になった。
日々部活に追われていて、勉強をする時間があまり取れていない。けれど、地頭の良さで今までのテストではなんとか点を取ってきた。そして今、帰りのホームルームで今年初めに行った実力テストが返ってきている。僕のテストが返ってきたけれど、自信がなかったからすぐに鞄にしまい急いで帰る。帰宅途中もテストがどんな点数か気になって自然と足が速まっていく。風が強くなってきて、背中をぐいっと押された。
まるで「早く帰れ」と誰かに急かされているようだった。
一瞬だけ、何かの気配を感じた気がした。振り返っても誰もいなかった。
家について手洗いうがいを済ませ、すぐに部屋に入る。そして、テストを確認する。社会48点、国語52点、英語42点、理科48点、数学60点。合計250点だ。『絶望』この2文字が頭をよぎる。自信はないといっても心のどこかで350点は最低でも超えることが出来ると思っていた。だって、今までは漢字は一夜漬けでなんとかできていた。なのにそれを100点も下回る点数だ。おまけに今まで80点を下回ったことがなかった。さらに、得意教科の数学が60点だ。これからどうしよう。これからの生活に対する不安が大きくなっていく。ひとまずこれかのことを考えるために、滅多に休まないが、部活は仮病を使って休む。このことを母さんに伝えるために階段降りてリビングに入る。そこには晩ご飯を作っている母さんがいる。
「母さん、頭が痛いから今日部活休みたい。」
「わかったわ。しっかり休むのよ」
僕は、母さんに生返事をしながらリビングを出て行こうとすると窓の外に白銀の羽を持ったフクロウがみえた。思わず二度見したけれどもう見えなかった。
「気のせいかな」
そう呟き部屋に入り、ベッドに体を沈めると、重力とは違う、何か柔らかなものに引き込まれるような感覚がした。
眠りの中へ、静かに、でも確かに引き寄せられていく。
「なんだか、ただの睡眠じゃない気がする」
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