サイレントダイバー
ラグランジュ
第1話 穂乃果とつぐみ
俺は眠るたびに同じ夢を見ていた。
不思議なことに夢を見るたびに同じ場所、そして一人の女性。
夢の中で出会った女性、
俺は愛夏にどんどん惹かれていって、でもこの夢のせいで記憶が曖昧になってきてる。なので愛夏との出会いの前の記憶が無い。
現実と夢が交差している俺以外の人には(もちろん愛夏も)今のここが現実になってる訳だけど。
なので、記憶が曖昧な俺のことは後回し。今を現実と呼ぶことにしよう。
そして、俺と愛夏の目の前に現実と夢の繋がりに関係する不思議な女性、
何か知ってるようだ。俺の記憶と夢のことも。そのことを俺は詳しく知りたい。
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ある日のこと、穂乃果さんとつぐみさんは、
いつものように休日にお気に入りのお店で。
【ねぇ、穂乃果。昨日不思議なことに何度も同じ夢を見たの】
【つぐみん、夢は続けて見れるよ。不思議でも何でも無いよ。それにしても、この店は相変わらず…美味しいねー】
【呆れた…友人が話すことに興味なし、食べ物には興味しか無い。よくモデル出来てるよね。体型も保ってるし、不思議】
【モグモグ…食べ物も選んでる…豆腐のサラダに、鳥の胸肉のガーリックバターソテー…それとジム通い!!ほぼ毎日】
【解ったけど、聞いてくれない!!夢の中に素敵な社員が入ってきてね、私が指導するんだ。なかなか可愛いの、それでね…】
【つぐみん、早く彼氏作りなよ。きっと求めているからそんな夢を…モグモグ…】
【穂乃果!!そこじゃ無いんだってば!!!同じ人なの!!何度も同じ夢を観てるの。翌日も夢を見る日はいつも!!そんなのおかしいでしょ?】
【何日も?そんなに好みの男?】
【だから、それだけじゃ無いの。夢って何人か継続することなんて無いよね?だんだん夢じゃないって思えてきて。名前も同じで】
【ふーん…モグモグ…良かったね】
【あーあ、穂乃果になんか話さなきゃ良かった。あー、寝不足…明日有給使おうかなー】
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お互い忙しいなり、休みは寝ていたいと言うことになり、二週間ほど会っていない。
知らない番号の着信。穂乃果は出るのをためらったが、何か感じたため恐る恐る出ることに。
【…もしもし】
【穂乃果ちゃん!!つぐみが事故にあって】
つぐみの母親からの電話だった。
慌てて病院に駆けつけた穂乃果は、つぐみのお母さんに、
【つぐみん!!】
【穂乃果ちゃん、さっき目を覚ましたんだけど、何かおかしいの。ここは夢で早く目を覚まさないとって言ってまた眠ってしまって】
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それを聞いていた愛夏は、穂乃果さんに、
【事故で意識が朦朧としてるんじゃない?それと健太が何の関係があるの?】
穂乃果さんは、
【つぐみんのお母さんが聞いた名前が…健太さん…だったの】
俺は、
【俺の見た夢で、つぐみさんは俺の上司。だから俺が入社したことと、新入社員ってことは合ってる】
穂乃果さんは、
【夢のリンク…今、つぐみんは夢の中にいて、目覚めるとこの現実を夢だと思って寝てしまうみたいなの。お願いします、私とダイブしてください。つぐみんの夢に】
俺と愛夏は、ハモるように、
【ダイブーーー!??】
【ダイブーーー???】
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