第6話 学院襲撃と暴走する力

その夜、寮の部屋で俺はベッドに倒れ込み、天井を見つめていた。


「……なんで俺、こんなにモテてんの?」


 リディアは過保護すぎるほど守ろうとするし、エレナは妙に視線を外してくれないし、ミナは幼なじみ認定してくる。

 いやいや、俺はただのコンビニ帰りの一般人だって。


 ため息をついたその時。


 ――ドンッ!


 窓が震えるほどの衝撃音が響いた。外から悲鳴が重なり、嫌な気配が迫ってくる。


「……嫌な予感しかしない」


 廊下へ飛び出すと、学院の結界が砕け、黒いローブの集団が雪崩れ込んでいた。

 生徒たちが悲鳴をあげ、教師が魔術で応戦するが、相手の狙いは明らかに俺。


「ユウ様、下がって!」リディアが剣を抜き放つ。

「ここは私に任せて!」エレナも盾を構える。


 火花が散る。剣戟の音が廊下に響く。

 ミナも必死に詠唱し、小さな火球を飛ばした。


「来ないで! ユウを傷つけさせない!」


 だが敵の数は多く、押し返すどころか徐々に後退していく。

 俺の足もすくみ、壁際に追い詰められた。


「くそ……俺が狙いなら、俺に用があるんだろ!? ふざけんな!」


 思わず叫んだその瞬間。

 掌から熱が走り、眩しい光がほとばしった。


 ――バシュウッ!


 白い閃光が廊下いっぱいに広がり、黒ローブたちを一瞬で吹き飛ばす。

 まるで光に飲み込まれるように、彼らは煙となって消えていった。


「な、なんだ今の……俺がやったのか?」


 掌は熱を帯び、心臓が激しく脈打っている。

 リディアもエレナも目を丸くし、言葉を失っていた。


「やっぱり……ユウは特別……」ミナが震える声で呟く。


 その言葉を最後に、視界がぐらりと揺れた。

 足に力が入らず、崩れ落ちる。


「ユウっ!」


 遠くで誰かの叫び声が聞こえた。

 頬に冷たい手が触れる。涙まじりの声が耳に届いた。


「お願い、目を開けて……! 私を、置いていかないで!」


 その必死な叫びを最後に、俺の意識は闇に落ちた。

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