第5話 夢の中の絵の具
意識が薄れゆく。僕は、眠りについた。
夢の中には絵の具がある。黒色の絵の具が僕を塗りつぶす。絵の具が何かを囁く。「藍色に溶けて消える」僕の胸はひやりとした。気づくと、まる1日経ってしまった。僕は、目が覚めた。「寝てしまったのか」
すると、僕の指が溶けてなくなっていた。
僕は驚いた。「消えてしまうのか」
だんだん、僕の体が溶けていく。このまま溶けて無くなる。もうダメだ。画家になる道は、閉ざされてしまった。藍色に溶けていく僕の体は、僕の絵の1部となった。「もうダメだ」僕は、絵の1部となって消えていった。
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