タイムループ×青春恋愛と聞けば、派手なリセットやドラマチックな告白を想像するかもしれません。
けれどこの物語は違います。
ここに描かれているのは、**「やり直すこと」よりも「続けていくこと」**を選んだ若者たちの姿。
三十秒の無音、何もしない10分、巻かない勇気。
一見ルールめいた小さな決まり事が、彼らの恋と生活を守る手すりになっていく様子が、とても瑞々しく胸に残ります。
魔法のようなタイムループは物語を動かす装置でしかなく、本当に描きたかったのは「やり直さない勇気」と「日常を支える言葉の密度」。
理知的で、けれどとても温かい青春小説です。