第8話
カードを挿し込み鍵を開ける。高いヒールを鳴らし扉を開ければ、見慣れた姿が雁首揃えて仁王立ちしていた。
「…なに」
「おっせーよ年増!」
「殺そうか若造?」
訝しすぎる光景に片目を歪ませれば、野球選手のくせに明るく染めた髪をピンク色のヘアバンドで全て抑えた男が喰ってかかってくる。失笑もののその姿ツイッターで晒してやろうか。
「おつかれ、マリさん。」
「…うん。疲れた。」
「うわ、珍しい。マリが弱音吐いてる。」
「これくらい吐かせてきーちゃん。」
「…今日は夕方に終わるって言ってた癖に嘘つき。」
「思ったより打ち上が盛り上がったの。抜けれなくて…ごめん、ハヤト。」
ヒールを投げるように脱ぎ捨て、床暖房の素晴らしさを実感しながら中へと進む。奥から出迎えに来てくれた2人に微笑みながら。
拗ねた口振りで呟くハヤトの頭を、くしゃりと撫でた。
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