第9話

軍手をはき、じいちゃんに貸りた……昔ばあちゃんが愛用してた麦藁帽子を被り小さな雑草たちを抜いていく。


少し離れた場所で、なにやら技術が進んでいる感MAXな機械で野菜たちに水をかけていくじいちゃん。


その横顔は、とても嬉しそうだった。






「おお、そうじゃ。もうそろそろ来る筈じゃから、しずかに紹介しなければなあ…お、来た来た。」



そして、遠くの方からこっち向かって自転車を漕いでくる4つの影に、手を振っている。


じいちゃんの視線の先を、確認した。




「この近くにある、高校の生徒さんじゃよ。農業高校。」


「農業、高校?」


「ああ。野菜を育てるのが好きな、変わった4人組でなあ」


「へえ…!なにそれ!いい子たちじゃん!」


「毎日のように、手伝いに来てくれるんじゃ。自主的にのお。もう、あの子らも、ワシの孫みたいなもんじゃよ。」



開放的な、今日からまたあたしの我が家となった家の庭。


綺麗に並んだ4台の自転車を止めた子たちだって、元気よく腕を振ってきていて。





横に少し狭いのと、

横に少し広いのと、

縦にかなり短いのと、

縦にかなり長いもの。



多種多様な4つの人影に、あたしも大きく、手を振り返す。

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