第4話

────────────……




『ちょっとしずか!どういうことよ!』


「ごめんねマミー…ワタシに東京のお水は合わないの…繊細だから…」


『上品ぶった話し方してんじゃないわよ!あなたのこと繊細って表すなら、この世界中で図太いのはゴキブリだけになるでしょっ!』


「え、ちょっと待って。それって、あたしはこの世界でゴキブリの次に図太いってこと?」


『そんなことどうでもいいのよっっ!もうなんか頭痛い!』



一昨日、働いていた深夜のコンビ二バイトを『うーん…しずかちゃん、元気なんだけどねえ…馬鹿加減が半端なくてねえ…』という店長の一言でクビになり、



昨晩、高校入学当時からつきあっていた彼氏にフられたあたしは、自棄をおこした。




「でもあたし、もう東京には帰らないよ?お金ないもん」


『…だからっていきなり…!何の相談もせずに出てくことはないでしょう!』


「えー…だってえ。深夜バスの時刻表みたらあ、たまたまちょうどいい時間にあったしい、チケットも取れたしい、こりゃ行くしかないって思ってぇ」


『くねくね喋るんじゃないわよ!あなたはもう立派な大人なのよ!?』


「はいごめんなさい」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る