第10話

私は、彼が苦手だ。


真正面から向き合って、

過去を翳して、

必死で隠した傷を見せつけてくる彼が、嫌いだ。



まだ子どもだった彼を、こんな風に。

憎まれることしか選べなかった自分が、大嫌いだ。

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