第32話
レンさんとつきあって、もうすぐ2年。
つきあってからも、色とりどりな時間を重ねてきた。
ホワイトデーも。
夜桜も。
涼しい夜のドライブも。
お月見も。
世間から隔離された場所ばかりだったけれど。
一緒にいれるのなら、なんだってよかった。
色々あったけれど、本当に幸せだった。
レンさんが変わったのは、そのすぐ後。
秋が遠ざかり
冬の足音が近くまでやってきていた時期。
レンさんは、変わってしまった。
別に、冷たくなった訳じゃない。
別に、大事にされなくなった訳じゃない。
それでもレンさんは、
私と2人きりで会う時間を減らした。
別れたい素振りを見せることもなく。
好きじゃなくなった様子を見せることもなく。
蛇の生殺しのような状況は、とても苦しい。
それ以上に、中途半端な今この関係が悔しかった。
ねえ、レンさん。
1年前の冬。
全く会えなかった、その季節。
連絡さえなかった、私たちにとって1年目の記念日。
去年のクリスマス。
レンさんには、何が起こったの?
私は、その理由を。
レンさんの痛みを。
まだ、知らない。
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