第2話

───12年ぶり、待望のベストアルバム。たくさんの方々が心待ちにしていたことでしょう。そして、このアルバムにボーナストラックとして収録されている新曲。先ほども流れていました“あしたは、晴れるといいな。”は、初めてリーダーであるRENさんがひとりで作詞作曲をした、とのことですが……それを聞いて、とても意外に感じました。


『もうね、色んな方に言われてます。あれ、ひとりでしたことなかったっけ?って。』


『なんかもう、子どもに問いかけるみたいなやつになってるよねぇ』


『確かに。はじめてのおつかい的な扱い……』


───すみませんMAMORUさん、それ他局……


『あっ、』


『はは。まあ、自分の中でvegetablooseの曲に最高の詞を合わせられるのは、TETSUだけっていういい意味での強迫観念みたいなものがあって。たぶんそれは、SOUもMAMORUも同じようにあると思うんですけど』


『『うんうん。分かる。あるある。』』


『……かぶるなよ。なんか気まずい。』


『今回はね、そんな気まずい想いを抱えたTETSUからのお達しで。曲が先に完成したんですけど、「この曲の詩は、お前にしか書けない色がある」とか言われちゃって。じゃあ書いてみようかな、と。』


───だから、アコースティック調で、繊細なギター音が目立つ仕上がりになってるんですね。


『そうですね。それも、TETSU……というか、仕上がった曲の最終アレンジの時点で、みんなからの要望でした。ドラムとベースは抑えめに沿うように、ギターとTETSUの声を前面に、って。』


───それでもやっぱり、vegetablooseの音、というか……バンドとしての色も濃く残ってますよね。vegetablooseだからこそ成せる技、というか───









音楽番組と言ってもバラエティとなんら変わりのないモノが多くなってきたテレビ事情。


その中でも貴重な、本当に音楽だけを主とした“音楽番組”の中で語るレンさんを、ただただ、見つめていた。

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