第2話 休日の朝食

 その後、着替えを済ませた橘海翔は自室を出てから1階に降りて台所へ向かうと。


 自分で朝食の準備をして、ホットコーヒーを飲みながらイチゴジャムを付けた食パンを食べ終えると、使った食器を洗ってから白星麗奈が居ると思われるリビングへ向かうと。


「……ふふっ」


 橘海翔の予想通りリビングに居た白星麗奈はテレビの前に置かれているソファーに仰向けに寝転がり、橘海翔の部屋に置いてあったライトノベルを読んでいたので。


「麗奈、俺のラノベを勝手に読むのは良いけどその恰好はどうなんだ? 白星家のお嬢様として見たら行儀が悪すぎるんじゃないか?」


 橘海翔がそう言うと、白星麗奈は読んでいたライトノベルから顔を上げて橘海翔の方を見ると。


「問題ないわ、私のこんな姿は海翔にしか見せないから」


 ソファーの上に寝転がったまま、白星麗奈は小さな笑みを浮かべてそう言ったので。


「俺に見られるのは良いのかよ」


 呆れた表情を浮かべながら橘海翔そう答えると。


「当たり前でしょ、私がこんなだらしない格好で居られるのは、海翔の前だけなんだから!!」


「……そうか」


 白星麗奈は当然の様にそう言ったが、その言葉を聞いた橘海翔は何故か無性に嬉しくなってしまい。


 少しの間その場で黙っていると。


「それより海翔、朝ご飯を食べたのなら早く私の暇つぶし相手になってよ」


 ソファーの上に寝ころがったまま、白星麗奈は橘海翔の目を見てそう言ったので、


「別に俺がお前の相手をしなくても、今読んでいるラノベの続きを読んで過ごしたらいいんじゃないか?」


 白星麗奈を見下ろしながら橘海翔はそう答えると。


「そうしたい気持ちもあるけど、私がライトノベルに夢中になっていたら今日一日、海翔が寂しい思いをすることになるから、続きは家に帰ってから私の部屋でのんびり読むことにするわ、だから海翔は文句を言わずに早く私の暇つぶし相手になりなさい!!」


 再度、白星麗奈はそう言ったので、その言葉を聞いた橘海翔はその場で小さくため息を付いて。


「分かったよ、それじゃあ俺は飲み物とお菓子を準備するから麗奈は先に俺の部屋に行って適当に過ごしといてくれ」


 橘海翔はそう言うと。


「ええ、分かったわ」


 白星麗奈はそう答えるとソファーから起き上がり、橘海翔に背を向けて階段の方へと歩き始めたので。


「あっ、そういえば麗奈」


「なに? 海翔」


 橘海翔がそう言うと、白星麗奈はその場で足を止めて海翔の方へ振り返ったので。


「母さんの姿が見当たらないんだけど、何処に居るのか知らないか?」


 白星麗奈にそんな事を聞くと。


「おばさんなら私たちに留守番を任せて買い物に出かけたわ」


 白星麗奈はそう答えるとそのまま階段を昇って行って、彼女の姿が完全に見えなくなると。


「それじゃあ今この家に居るのは俺と麗奈だけなのか……まあ、だからってあいつと何かある訳じゃないけどな」


 自分に言い聞かせるように橘海翔はそう呟いた。

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