第25話 母の接近
陽菜が口に咥えた濡れたパンティ越しに漏らすくぐもった喘ぎ声が僕の心を狂わせていた。僕は彼女を支配している、そして彼女は僕の支配を悦びとして受け入れている。その歪んだ関係に僕は深い陶酔感を覚えていた。僕は彼女の口元を両手で塞いだまま、腰を激しく動かし続ける。陽菜の身体は快感に震え、僕の腰の動きに合わせて小刻みに揺れる。熱と汗と蜜が混じり合い、部屋には濃厚な甘い匂いが充満していた。
「んぐっ…んぐぅ…んん…」
陽菜のくぐもった喘ぎ声が僕の耳元で響く。それは僕にとっての音楽だった。僕の支配欲を満たす至上のメロディー。僕は彼女の耳元に唇を寄せ、さらに酷い言葉を囁こうとした。その時だった。
コンコン。
突然、部屋のドアがノックされた。僕の身体が硬直する。心臓が凍りつくような感覚に襲われ、全身の血の気が引いていく。陽菜もまた、僕の腕の中で動きを止め、恐怖に瞳を大きく見開いた。
「蓮、少しお夜食でもどう?」
ドア一枚隔てた向こう側から、母の和恵の穏やかで優しい声が聞こえてきた。その場違いなほど優しい声が、僕たちの間に流れる淫靡で背徳的な空気を一瞬にして切り裂いた。僕は息を呑み、呼吸すらできない。陽菜は口に咥えたパンティを必死に飲み込み、自分の口を両手で塞いだ。その震える手は、快感の余韻ではなく、極度の恐怖に震えていた。
「終わった」
僕の頭の中には、ただその言葉だけが木霊していた。僕たちの秘密は、今、完全に暴かれてしまう。家族は崩壊し、僕たちの日常は二度と元には戻らない。絶望が僕の心を支配し、身体は結合したまま硬直する。陽菜の身体の熱が、汗で湿った僕の肌に冷たく感じられた。
互いの心臓の激しい鼓動だけが、やけに大きく聞こえる。ドクンドクンと不規則に脈打つその音は、僕たちの恐怖と緊張を物語っていた。母の声は聞こえなくなった。だが、その気配はまだドアの向こう側にある。僕たちは動けない。声も出せない。ただただ、この恐ろしい時間が過ぎ去るのを待つしかなかった。
陽菜は口に咥えたパンティを必死に飲み込み、涙目で僕を見つめる。その瞳には、恐怖と同時に「どうするの?」と僕に助けを求める切実な祈りが宿っていた。僕は彼女の瞳を見て、僕が彼女を守らなければならないという強い使命感に駆られる。だが、どうやって?この状況をどうやって切り抜ければいい?僕の頭は真っ白になり、何も考えられない。ただただ、この状況が夢であることを願うばかりだった。
「蓮、聞こえないの?」
再び母の声が聞こえてきた。その声は先ほどよりも少しだけ強い口調だった。僕たちの心臓はさらに激しく鼓動する。陽菜の身体は僕の腕の中で震え続ける。僕はもう、この状況から逃げられないことを悟っていた。僕たちの背徳の恋は、今、家族という壁によって試されようとしていた。
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