未来の俺から

痣丸スイ

第1話 未来の俺から

テスト前夜、机に向かってたら突然スマホが鳴った。

通知には「未来の俺」って表示されてる。


「……え、詐欺?」

でも好奇心に負けて開くと、一通のメッセージがあった。


『お前、今カップラーメン食おうとしてるだろ。やめとけ。』


「は?なんで知ってんの?」

するとまた通知。


『それ食ったら次の日腹壊す。マジで死ぬほど後悔するぞ』


半信半疑でカップ麺を片付けた。

するとすぐまた通知。


『よしよし。ついでに言っとくと、明日のテストの一問目は「地球の自転の速度」だ。秒速465m。忘れんな』


……え、マジ?


翌日。テストを開いたら、本当に一問目がそれだった。

「やば、ほんとに未来の俺だ……!」


放課後、スマホにまた通知。


『お前、帰りにアイス買おうとしてるな?』


「うわ、見えてんの?」

『未来の俺から言っとく。絶対にチョコミント買え。』


「なんで?」

『そのレジの店員さん、チョコミント好き。話しかけたら仲良くなれる』


言われた通りに買ったら、レジの女の子が笑顔で言った。

「えっ、チョコミント好きなんですか?私も大好きなんですよ!」


……未来の俺、ありがと。

って思ったら最後に通知。


『でも結局、告白はできないから、ここから先は自力で頑張れ』


「おい!未来の俺、肝心なとこで投げんな!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

未来の俺から 痣丸スイ @adgjt

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ