ダベリグルメ〜いくら丼の場合〜

チェンカ☆1159

ダベリグルメ〜いくら丼の場合〜

「あのね洋子」

「何よ和美」

「あたし昨日パパとママと和食屋さんに行ったの」

「へぇ、いいじゃん。何食べたの?」

「ハンバーグ」

「いやちょっと、折角なんだから和食を食べなさいよ」

「冗談よ冗談」

「なんだ冗談かぁ」

「本当はいくら丼食べたんだ」

「いくら丼ねぇ、美味しかった?」

「うん!口の中でいくらがプチプチと弾けて、一緒に入ったご飯と混ざり合っていって――」

「そんな食べてる時の細かい過程は求めてないから。感想言うなら見た目とか味にしてよ」

「それでさ、私もいくら丼作ってみたいなって」

「いいんじゃない?と言っても割と手軽そうだけど」

「まずは海へ行きます」

「待ちなさい」

「釣り竿とクーラーボックス以外に必要なものあるかな?」

「だから待ちなさいっての!」

「え、どうしたの?」

「和美、アンタ海行ってもいくらは手に入らないわよ?」

「何言ってるの洋子。いくらは鮭の卵だから海で鮭を捕まえてくれば良いんでしょう?なんなら鮭も調理して海鮮親子丼にすればいいわ」

「いやいや、鮭は生じゃ食べられないわよ?」

「なら鮭には火を通せば解決ね」

「いやもう海鮮親子丼にする気満々じゃない……というかそこじゃなくて!」

「ん?」

「スーパーとかで買えばいいじゃん、売ってるんだから」

「それもそっか。でも手作り感がなくなっちゃわない?」

「そんなことないわよ。いくらを醤油漬けにする時の細かい味付けとかで個性出ると思う」

「なるほど!じゃあまた作ってみる」

「できたらあたしにも食べさせてね」

「もちろん!とびっきり豪華ないくら丼作るね!」

「いくら丼ってそもそも豪華だと思うけど――さてはアンタ店のいくら買い占める気じゃないでしょうね?」

「なんでわかったの!?」

「なんとなく察しがつくわよ全く……」

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