第12話 俺ってクレーマー?

 乙市役所の対応は、これがデフォルトなのだろうか?

 前回は一応苦情で入れていたよね?

 それが全く生かされていない。

 もう乙市役所に行くことはないだろうが、このまま改善されなければ、私と同じように、遺産相続調停を起こそうとする人たちが困るだろう。

 (やる人はいないかもしれないが)


 どうでもいいが、もう一度この不満を連絡することにした。

 今思えば、連絡しなければ良かったと思う。


 前回担当した総務課男性職員に電話を掛けて、今回のことを伝えた。

 総務課職員の反応を見るに、前回のことは本当に苦情扱いしていたようだった。

 そのため、回答も要らないから対応を直してくれ、とだけ言って電話を切ろうとした。


「いや、担当課長から電話を受けていただけませんか」

 お願いされる。

 苦情処理のルートがそうなっているのだろう。

 総務課で終わらなかったら、担当課長が対応する、というのが乙市役所の決裁ルートなのだろう。

 前回は、最終的に税務課の課長が担当したから市民課の課長はノータッチだったのだろうか。

 

 市民課は、本来提供する業務を断って苦情を貰ったのだ。

 その数日後に全く同じ状況で業務を断ったのだ。

 このままじゃ組織として駄目だろう。

 面倒だが、担当課長である市民課長の電話を待つことにした。


 やはり夕方五時ころ電話が掛かってきた。

 苦情に対する回答は夕方五時がデフォルトなのだろうか。


「乙市役所市民課長の〇〇とも申します。この度部下がB男さんにご迷惑をお掛けして済みませんでした。」

「はい。」

 しーん。

 無言時間が十数秒続く。

 相手から何の反応も返ってこない。


 この課長、何も考えずに電話してきたんだろう。

 私が激高したところを、一方的な謝罪攻撃で終わらせるつもりだったのだろうか?

 しかしなぜ、私が答えた後、一切言葉を発しないのだろうか。


 普通は、謝罪の後に色々説明して、相手の同意を得て謝罪を終了するという流れに持って行くのじゃないのか、と思う。

 しかし、このままじゃ相手がかわいそうなので話を向けてやることにした。


「なぜ前回と同じことが起こったのですか。」

 相手が回答しやすい言葉を選んで質問する。

 なんで私の方が気を使わなければならないのだろうか。


「はい、前回の職員にはきちんと指導して……(ペラペラ)」

 言い訳が続く。

 分庁舎の職員だけが悪い、分庁舎の上司の指導力が足りなかった、とのこと。

 前回の職員に指導したのは分かるが、本庁舎の職員にはどう指導していたのか。

 今回の苦情は本庁舎の職員に対するものだ。

 ところが市民課長からは、本庁舎での改善についての話はない。


 あまりにもアホすぎる。

 そんな回答で終わらせようとするのか?


 いずれ指導はしていたを繰り返し弁解する市民課の課長。

「それなら何故同じことが起こったのですか?」

「大変申し訳ございません。これからはこのようなことが無いようにきちんと指導してまいりますので……。」

 質問に回答がかみ合っていない。

 ただ頭を下げていれば終わるというスタンスだ。


 自分は悪くないのであれば、部下を徹底的に悪く言うしかないけど、もう少し中身を入れろよ。

 あんまりにも話が軽すぎる。


 例えば『指導していたが、〇〇の理由でこの職員が指導を聞いていなかった。そういうことから今後はその様なことがないよう、漏れのない引継ぎや指導を進めていきます』とか、相手に寄り添って、尚且つ具体的に感じる言い方で納得させろよ。


 グダグダした一方的な話を聞いているうちに、怒りが湧いてきた。

 駄目だ。

 乙市役所では、クレーマー対策・教育が全くなされていないようだ。

 この市民課長は、苦情はただ頭を下げて時間を掛けていれば終わると思っているらしい。


 この担当課長と話していると、精神衛生に良くない。

 元より回答は望んでいないのだ。

 改善してもらえればいいだけなのだ。

 この課長が改善できるとは全く思えないが。

 でも乙市役所と関わることはもうないだろう。

 さらば乙市役所よ。


「わかりました。もう結構です。回答ありがとうございました。」

 全然ありがとうじゃないけど、『フン』と言わずに謝辞で終わらせた。

 そのくらい、チャチャさんじゃないから私にはできるよ。


 このような面白くもない対応をされるくらいなら、苦情なんて入れなければよかった。

 乙市役所よ、このような上司がいる限り、いつまでも窓口対応が改善されないままだよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る