僕は燕だった頃がある

校庭のざわめきにうんざりしていた

飛べない鳥たちの集団

だから僕は空を飛ぼうとした

空は通り雨が降っていた

雲間から夕映えが差していた


僕は燕


放課後、僕は飛び立った


転生の羽ばたきがする

羽音の孤独が僕を奮い立たせる


僕は燕


空を切り裂くように低い空を飛ぶ

鋭い風切り

誰も見なかった空

風を抱く心臓

電線の影をすり抜けた

雨粒が頬を滑る


だけど今は人

目覚めの痛みがする

靴の重みが、重力が僕を人だと認識させる


田んぼの匂いがする

僕は本当の燕を見て羨ましいと思う


ただ、風が通り過ぎた

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