第30話 結合の儀式
僕が圧倒的な達成感の中でまだ浅い呼吸を繰り返していると千聖お姉ちゃんがゆっくりと体を起こした。彼女は床に散らばった自分の衣服の中から小さなハンドバッグを探し出す。そして、その中から一枚の小さな銀色のアルミ包装を取り出した。
コンドーム。
そのあまりにも現実的な物体の登場に僕の陶酔していた意識は少しだけ現実に引き戻された。そうだ。僕たちはこれからセックスをするのだ。僕があれほどまでに渇望していたその行為を。
彼女は手慣れた様子でその銀色の包装を指先で巧みに破った。中から現れた薄いゴムの輪。彼女は再び僕の前に跪くと僕のまだ射精の余韻で熱を持っているペニスを手に取った。そして、その先端にゴムの輪をあてがうとするりと滑らかな動きで根元までそれを被せていく。
僕はその一連のあまりにも滑らかであまりにも大人びた彼女の仕草をただ呆然と見つめていた。その手際の良さが僕の知らない彼女の経験を物語っている。その事実に僕の胸はちくりと嫉妬に似た痛みを感じた。しかし、それ以上にこれから始まる未知の体験への期待が僕のすべてを支配していた。
準備が整った。
彼女は僕のペニスから手を離すとゆっくりと立ち上がりソファへと戻っていく。そして、その滑らかな白い体を再びソファの上に横たえた。
彼女が大きく足を開き僕を迎え入れる。
そのあまりにも無防備であまりにも背徳的な光景。僕はごくりと喉を鳴らしまるで聖地へと足を踏み入れる巡礼者のように彼女の足の間へと進み出た。
僕の膝がソファの柔らかなクッションに沈む。僕は彼女の上にゆっくりと体を覆い被せた。シャンプーの甘い香りが僕の鼻腔を満たす。
そして、僕はついに憧れの千聖お姉ちゃんの体内に挿入する。
熱い。柔らかい。そして、信じられないほどきつく締め付ける。
僕のペニスが彼女の濡れた温かい膣内にゆっくりと飲み込まれていく。ぬちゃりずぶりという生々しい水音が僕たちの間に響いた。
その瞬間、脳髄まで痺れるような強烈な快感が僕の全身を貫いた。それは僕がこれまで経験してきたどんな快感とも全く質の違うものだった。ただ気持ちがいいというだけではない。僕という存在の一部が彼女という存在の一部と完全に一つになったという絶対的な一体感。
僕はそのあまりの感動に打ち震えた。全身の筋肉が硬直し射精しそうになるのを必死で堪える。まだだ。まだ終わるわけにはいかない。この奇跡の瞬間を一秒でも長く味わっていたい。
僕の荒い呼吸と彼女の苦痛と快感が入り混じった甘い吐息。汗ばんだ肌と肌が触れ合う感触。僕たちはついに結合したのだ。この儀式はもう誰にも止めることはできない。
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