プロローグ?

波の音を聞きその音を聞きながらかつての事を思い出す。


かつて自分の研究を手伝ってくれた助手が居たこと。自分の傍で支えてくれていた助手がいた事。その助手を自分は満面の笑みを浮かべる奴(クソッタレ)に捧げたことを


助手を売り渡した日、自分の中では月命日としている日は必ずその時の崖に行く。助手の好きだったタバコに火をつけその煙が消える迄思いを馳せる


意味は無い。分かっている。

それでもこの気持ちが、思いが出来ることなら消えないようにと願いながら助手の好きなタバコに火をつけてる。


《おや?どうしましたセンセイ。お子さんの事ですか?新しい研究の事ですか?それともワタシのことですかぁ?》


丁度そのタイミングで後ろから声がかかった。振り向くとその声の主がいた。その声の主は助手の顔をしていた。助手の声をしていた。助手の記憶も持ってる。

だが少なくとも私は知っている。その助手の見た目をしたナニカは助手では無いことを。


助手のようなナニカは更に口を開く


《さぁ!新しい研究を始めましょうよセンセイ!もっとステキで!もっとカゲキで!もっとサイアクな研究をしましょうよ!!》


この助手の見た目をしたナニカ。

その実態は、旧支配者共の使役物、千の異形、そして這いよる混沌の呼び名があるモノ。

ニャルラトホテプが声を上ずらせて話しかけてきた。


今は少し1人にさせろといってあしらうとニャルラトホテプはその顔に助手のようなあどけない笑みを浮かべて

《はーい、センセイ!僕のこと、忘れないでくださいね!》

と言って文字通りその場から姿を消した。奴は分かっているんだ。俺がここに来る意味も何もかも。その上でこんな事を毎回やってくるんだ。全く、虫唾が走る。


ふぅ....


長く息を吐き出す

崖の方を見つめ少し記憶を掘り起こす

助手が来たあの日を。助手と過ごしたあの日々を。


そして、助手を手放したあの時を

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