リフレインされる、「だってあたしはぬいぐるみ。」というフレーズが、まるで虐待を受けている女性のセリフのように聞こえてくる。思わず、そのぬいぐるみに向かって、「逃げて!」と、叫びたい衝動に駆られるのだ。しかし、このぬいぐるみにとっては、ごしゅじんさまからの暴力を受け入れることが、愛になってしまっているのだろう。今この瞬間も、あのぬいぐるみは、愛らしく笑っているのだろうか。極めて現代的な痛切な詩である。
どうやら作家さんの気持ちを表してるらしいねんそうやって扱われてきたってひどい話縫いぐるみの話やと思っても心が冷えるのにでも今のしまちゃんには大勢の仲間がいる零してもええんやで泣いてもかめへんみんなで受け止めるさかい
「あたしはぬいぐるみ」と言う軽い題名の「詩」ながらも、ここに並んでいるのは、読む者の心に突き刺さる、スゲえなあ、この言葉の強烈な槍の羅列!ここまで、心に刺さる「詩」であって、しかも、何とも読み易い「詩」、これぞ、一読に、値します。迷わず読めよ、読めば分かるさ!(故:アントニオ猪木氏の名言を借用)
西しまこさんのダーク作品は、ぞくっとくるんですよ。まだ、暑いですよ。ゾクゾクしましょう。お立ち寄り下さいましよー。
切なくて深い葛藤が込められている詩です。ぬいぐるみという存在が、痛みを受けながらも表にはそれを見せずに笑顔を作り続ける…その姿が、誰かに無理に合わせたり、我慢したりしているときの心情と否が応にも重なります。詩の中の「だって、あたしはぬいぐるみ」という繰り返しが、どこか無力感や諦念を感じさせつつも、逆にその中にある誰にも聞こえない自己主張や自己犠牲の苦しみも、はっきりと見えているが故に、読んでいて胸が痛みます。でも、読んでいただきたい。共感する方が多いはずです。