潮騒の笛
獅々奈
序章
海辺に広がる白い砂浜、そしてオレンジ色に染まるサンセット。
とあるリゾート地でその光景を心から楽しんでいるのは、ニイナ・アルベルトだ。
大学を卒業して、就職し、社会人として迎える初めての夏休み。
そのひとときを謳歌する彼女に――私は空気を読まずにインタビューをしにやってきた。
そう、私の名前はヘアリー・シーンズ。
彼女の視線の先、静かな海のはるか向こう。
水面が大きく盛り上がり、美しい白と黒の体が夕日に照らされて跳ね上がる。
それを目にした瞬間、ニイナはふっと微笑んだ。
そう、あれは彼女の親友――ララ。
海の頂点に君臨する存在、シャチである。
無邪気で愛らしい一面もあれば、冷徹で恐ろしい一面も持つ。
そんなことはニイナもよく知っている。
だが、ララは彼女に懐いていて、まるで家族のように彼女を守ろうとしてくれたこともあるそうよ。
ニイナはララを「親友」と呼び、ララはニイナを「ファミリー」と認識している。
お互いの間に確かな愛情があることは、誰が見ても明らかだった。
私は――そんな2人について、一つの物語を記そうと思う。
どう?ワクワクしてきたでしょう?
私自身、早く伝えたくて仕方がないわ。
でも物語は順番が大切よ。大切なことを伝えそびれてしまっては台無しだからね。
さぁ、準備はいいかい?
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