英雄

せおぽん

英雄

お前はこんな事も出来ぬのか。


大きな声に、私はそちらに目を向けた。家臣がまだ少年の従者を叱責し、鞭で打っている。


私は、声をかけた。

「これ、何があったのか?」


家臣は頭をさげ、私に言った。

「このものは不器用で、まともな仕事ができません。出来るといえば、石積みくらいしかできませぬ」


「ならば、石積みをさせれば良いではないか」

その従者は、私に何度も頭を下げた。


ーーーーー


その少年は、生涯石積みであった。彼の石垣は大層に頑強で、決して崩れず、どのような敵をも退ける事が出来た。やがて大人になると彼は指導者として、自身の技術を皆に伝えた。彼は後に国の英雄となった。


この国は、末永く繁栄した。末永く続く国は、このような不器用と蔑まれたものたちがつくる石積みの護りによるものなのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

英雄 せおぽん @seopon

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る