絆よ、砕け—— “魔法” という災厄を
- ★★★ Excellent!!!
魔法少女を病とした斬新な世界観。
その中に鎮座する特殊な研究機関では大人や組織の黒さが演出されますが——ただ一人、その黒さを感じさせない優男の存在がいいギャップを生んでいます。彼と対極に位置する人物もいるでしょう。さらに別の危険勢力も出てきていますから、彼らが今後どことどう関わってこの世界を揺るがしていくのかワクワクです。
さらに魔法少女の過去も、現在も生々しく、惨たらしく描かれて、罹患者という立場に的確な重さを与えています。
主人公は敢えて、少し特異な体質を得た一般人とすることで、ウィアドや魔法少女と関わる場面に何も知らない読者が直に入り込める設計に。その上必要な説明を自然に導き出せるので最高です。
親友も落としていくフェーズで惜しみなく使ってくれましたね……! その容赦なさがこのダーク全振りの世界には突き刺さる。
世界観はいわずもがな、説明と心理描写の配置、セリフ内容も緻密に練られており、構成力はとても高いと思いました。
百合タグがついていますが……23話の時点では友情、絆の点が非常に強調される予感。
友情という概念が、災厄という事象に挑む物語。今後も彼女らの動向と活躍から目が離せません。