第7話 救済者の幽霊

 恐らく私は、幽霊が視える能力を持っている。私の視界にはっきりと映るその姿を、街を行き交う人々は目もくれずに歩いている。なので多分、私だけが視ている彼らは幽霊である。


 古来より人間は、実在するか判らない存在の言葉に救いを求め、教えとしてその神聖さを描き、絵画と共に宗教としてその文化を拡散した。そして現在、画面上の絵画に救いを求める者もいる。そして信者の数はチャンネル登録者数として世間に公開されている。画面上の存在はその言葉をデータとして遺し、信者は金銭を支払い救いを求める。アミニズムが根底にある大多数の日本人にとって、その所属事務所は古事記や日本書紀のような存在なのかもしれない。救済者は基本的に現世での姿を見せることは禁じられているようだ。信者たちは救済者の姿を表す宗教画を描き、Xにて布教活動を精力的に行っている。


 ただ救済者も我々世俗の人間と同じく輪廻転生しているようだ。

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都会の幽霊 曖惰 真実 @aidamakoto

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