ダビデ・ソロモン王

 成立間もないイスラエル民族においては、イスラエル民族としての団結はYHWH崇拝と他民族への軍事力の行使に限られていて、実際は部族同士の集まり、部族連合という形を取っていました。


 ある程度以上の規模の部族が攻めてきて、イスラエル民族内の各部族が対処しきれない時に、全部族が力を合わせて戦うという様態です。


 しかし前十一世紀ごろ、他民族の団結が強まり、勢力として大きくなっていきます。これは国家の興りにも近く、王を頂点とする中央集権体制を確立した組織の増加・強大化を意味しました。


 そうなるとイスラエル民族も、より強固な団結を行う必要があります。ここでサウルという人物が王の座につきましたが、この人物は十分にイスラエル民族の王国を確立したとはいえなかったようです。


 その次に登場したダビデが、前十一世紀末ごろ、王国を確固たるものにしました。そしてこのダビデの跡を継いだのがソロモンです。創作などでよく出てくるソロモン王はこの人です。


 ダビデ・ソロモンの時代の主な出来事は、以下の通りです。


 ・イスラエル民族の統一王国を確立

 ・ダビデがエルサレムを首都と定めた

 ・ソロモンがエルサレムに神殿を建設した


 ふたりの王は中央集権的制度の整備を進めます。軍事的には領土の拡大、経済的には繁栄の状態を作り出しました。


 特にソロモンの時代の繁栄は「ソロモンの栄華」と呼ばれ、名高いものとなります。豪華な神殿と、それよりももっと豪華な宮殿が、この時代の繁栄の象徴でした。

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