僕の一番の幸せ

白夜

大学1年目

大学1年目、恋人ができた。

僕の方から告白したのが切っ掛け。

彼女はとても驚いていた。

「どうして私なんかに」「もっと相応しい人がいるはず」と、自分を卑下する彼女に僕は言ってやった。


「君が良いんだ。君じゃなきゃいけない。僕が好きになったのは、恋をしたのは、君がどんな人よりも優しくて、温かくて、一緒になって喜んでくれて、悲しんでくれて、僕を包み込んでくれるその包容力のある人柄に惹かれたんだ」


紛れもない本心。嘘偽りのない言葉は彼女の顔を真っ赤に染める。


「へ、ぁえ? え? ーーーふあっ!?」


なんとも可笑しな声を上げて、彼女は直立のまま後ろへと倒れてしまった。

慌てて抱え込まなければ怪我をしていたところだ。

ホッと安堵を吐き、彼女の顔を見下ろし笑む。

ーーとても綺麗だ。

後ろでまとめたお団子ヘアーが、彼女の茶髪の髪によく似合っている。丸眼鏡から覗く二重まぶた。いつもは眠たげな半目だけど、今は見開かれ、普段は拝むのことのない綺麗な瞳の全貌を見ることができた。化粧がうっすらと塗られた肌、そこからかすかに見えるそばかす。彼女は嫌ってはいるけど、僕はそこも含めて彼女の魅力だと思う。


「あ、あの……! そ、そそそれ以上見ないでもらえません……か?」


顔を両手で隠し、か細い声で彼女は懇願する。

僕は瞬きをした。どうやら見惚れてる間に意識を取り戻したようだ。


「ごめん。つい綺麗で見惚れてた。今起こすよ」

「みっ!?」


猫みたいな可愛らしい鳴き声に僕は笑った。

彼女は僕の胸を叩く。痛みはない。力が弱い訳ではなく、単に力が込もっていないだけ。

彼女は潤んだ瞳で僕を睨みつける。

ーー卑怯だ。

そんな可愛らしく睨みつけられたら襲ってしまいたくなる。

そんな欲望をグッと胸の奥に押し込み、溜め息とともに吐き出す。

彼女はビクリと震えた。そんな姿に僕の悪戯心が刺激された。そっと、彼女の耳元に顔を近づけて囁く。


「可愛いよ。僕の愛しい人」

「きゅっ!?」


彼女はネズミみたいな声を上げて気絶した。

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