第3話 体験日記(力仕事と睡眠)

第3話 体験日記(力仕事と睡眠)


「体を動かせば、きっとぐっすり眠れるはず」

そんな素朴な期待を抱いて、久々に力仕事のバイトをしてみた。


数時間、汗を流して体を酷使する。

腕も脚も重くなり、腰にはずっしりと疲労が残る。

「ああ、今日は絶対によく眠れる」と確信しながら帰路についた。


けれど夜になり、布団に入っても眠気が訪れない。

体は確かに疲れているのに、頭の中は妙に冴えている。

久しぶりに頭を使ったせいもあるのだろう。慣れない緊張や、作業で感じた小さな達成感や戸惑いが、頭の中でぐるぐる回って離れない。


結局、ただ体を疲れさせるだけでは眠りは深くならなかった。

「肉体の疲れ」と「心の落ち着き」——どちらもそろってこそ、良い眠りにつながるのだと実感した。


昔は睡眠薬やお酒で「眠りに入る」ことばかりを考えていた。

でも、いまは少し違う。眠りとはバランスの結果なのだ。

体も頭も、そして気持ちも、うまく整ってはじめて深く眠れる。


ただ倒れるように眠るのではなく、心地よく眠れる方法を探す。

それが、これからの自分に必要なテーマなのかもしれない。


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