赤色が、ない。

どこにもないのだ。

いや、それだけじゃない、暖色系カラー全てがないのだ。

仕方ない。

青色や藍色を抜き取る。青色で書くしかない。

いつもの暖色系じゃなくて、びっくりされるかもしれないけれど、これしかできない。

仕方がない。

本当は、瑞希先輩辺りに貸してもらいたかったけれど、この部で絵を書いているのは私と瑞希先輩のみ。そして先輩は、線でしか書かない。だから、絵の具は持っていない。

地獄だ。赤色がないなんて。

でも。

綺麗だった。青色系でも本当に。

秋の海の色を元に描いてみたのだ。あえて陽の光を少なくし、黄緑で光の陰を表した。

うん、我ながらあっぱれだ。

久しぶりにいい作品ができた気がする。

これを元に、もっと描いていこうと思う。

私は少し、無い暖色系の絵の具に感謝をした。

まあこのあと、大変なことになるんだが…

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