俺は忍びなのだが ひょんなことから 現代に来てしまった件
深夜 幻夢
第一幕 普通に戦っていたら、とんでもない事になったんだが
ー時は、戦国時代。
同じ赤い血の流れる人間同士が憎み合い、殺し合った時代。
その戦国時代に、影のように生きる者達がいた。
それは……忍び。
忍びは、非情の心を持つ。
彼等に、明日という文字はない。
今日も今日とて、相変わらずの戦いの日々。
影のように生きる忍び達も、命を賭け戦っている。
彼等に、安らぎはないのだ。
忍びの世界には、伊賀と甲賀がある。
その甲賀に住む、霧隠 影龍(きりがくれ かげりゅう)は、14歳の少年だが、忍術や刀使いは、他の者に劣らぬ力があった。
その影龍、何時ものように、敵の伊賀者と戦っていた。
この後、己の身に起こる非常事態も知る事もなく。
「忍法……分け身の術!!ハァーッ!!」
両手を重ねた影龍は、敵の回りをグルグルと駆け出す。
すると、なんと不思議な事に、影龍の姿が何人、何十人と増える。
「小賢しい!!」
敵の伊賀者が着物の胸元から、火薬を詰めた筒を取り出し、バンッと目の前に投げつけた。
白い煙がモクモクと立ち込め、辺りが真っ白になる。
「クッ……!クソ!目が……!!」
煙が目にしみ、影龍は、ヨロヨロと、後ろによろけた。
すると、影龍がよろけた後方に、大きな穴が開いていた。
影龍は、足を滑らせると、その穴に、深く落ちてゆく。
「うわぁぁぁぁああ!!!!!」
そして、影龍の意識は、遠ざかっていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます