第2話
「......マジ、か......」
気付けば、感極まっていた。涙は流せないが。
でも、この
今や僕は狩られる側なのだから。この世界で自由に飛ぶためには、強くなる。ただ、それだけだ。
「......さて」
気持ちも落ち着き、まずはシステムに言われたプレゼントを受け取ることにする。
メニューの開き方は......
「メニュー」
ポンと電子の板が自分の前に出てくる。
メニューの開き方は、起きた時に何故か頭に入っていた。と言うか、起きた時にはこの世界の設定は大体頭に入っていた。
ちなみに、この
便利な世の中になったもんだ。
......そして、このゲームの安全性に疑問を浮かべつつ、板の端にまさにプレゼントと言うマークがあるのを発見した。
とりあえず羽で押してみる事にする。
「......えいっ」
押した感覚がないが、確かに押せたのだろう。
ポンと言う効果音と共に画面が変わる。そこにはプレゼント一覧が表示されていた。
「...これか?」
いかにも祝福! と言ったようなデザインの項目がある。横に受け取りボタンがあった。
とりあえず受け取りボタンを押す。
押した瞬間、自分の前にプレゼントが浮いている状態で現れる。
「...わぁ」
僕は若干驚きつつも、持ってみる。
持ってみると、プレゼントに重力が掛かり、腕に落ちてくる。
僕はプレゼントを床に置き、開けてみる事にする。
「......
1割の期待と9割の好奇心と共にプレゼントを開けてみる。
紐を解き、紐をどかす。後は箱を開けるのみだ。
「ふぅー......」
深呼吸をし、箱を開ける。
中を見ると、入っていたのは小瓶に詰められた水色の液体だった。
「......ああ、これは......」
思い出した。これはスキルポーション......だと思う。確かこれは飲むとポーションのランクに応じてランダムなスキルが手に入るモノだ。
......
「......スキル、ねぇ」
ファンタジーモノの小説では、こういう時、大体、鑑定やら、チートスキルやらが貰えるらしいが。今回はどうだろうか。
僕は小瓶の蓋を開け、一回だけ深呼吸をする。
そして、一気に小瓶に入っている液体を飲む。
『経験レベルアップ!』『新たなスキルを獲得しました。』
「うぐっ......」
同時にアナウンスが流れて来た。頭に直接聞こえてきたようで、頭が痛い。
経験レベルは......確か、スキルを入手するためのポイントを入手する数少ない方法だったはずだ。一般的なRPGゲームのレベルと似ている。
とりあえず、スキルを確認しよう。
「メニュー」
頭を押さえつつ、メニューを開く。
メニューで出来る事は、ログアウト、プレゼントの入手、スキル・ステータスの確認、アイテムボックスの整理、その他設定等々......まぁ色々出来る。
今回はスキルの確認だ。スキルの所を押す。
効果音と共に画面が変わる。
まず最初に目に付くのは、ステータスだ。
......まぁ、予想はしてたが、今の身体はただの雀だ。平均値が分からないのはあるが......
「
この
【
ATKは物理の攻撃力だ。このステータスの差によってダメージが変動する。
VITは防御力。簡単だ、このステータスが高いほど物理攻撃のダメージを少なくする。
AGIは素早さ。高いほど早い。
LUKは運。これが高いとクリティカルが出やすかったり、報酬が増えたりする。
MPは魔力。魔法を使うと消費する。魔法の位が高いほど魔力消費量が多い。
簡単に言うとこんなもんか。流石に情報を整理しないと頭がおかしくなる。
「......これを進化するまで続けろと...キツイな」
まぁ、空を飛べるんだから文句言うなって事だろう。
そうだ、スキルを確認しなければ。
右の方に目をやると、スキルの一覧に何個かスキルがあった。
【風魔法】:ウィンド
【秘匿】:ユニークスキル
【召喚】:ユニークスキル
......いかにも強そうなスキルがあるが。とりあえず、最後の以外を見る事にする
まず、風魔法だが、まぁ今の所風の刃を出すだけのようだ。
魔力消費量が少ないのは嬉しい。
......それでも二回しか打てないが。
「......攻撃手段があるだけ良いか」
次に、秘匿。
このスキルは身を隠すスキルらしい。隠れている最中でも動けるらしい。そして身体が小さいほど見つかりにくいらしい。使用できる時間は解除、もしくは攻撃しない限り無限、|クールタイムは300秒。
......まぁ、便利なスキルだな。
「......僕と相性良いかもな」
さて、最後に召喚。いかにも強そうなスキルだが......
このスキルは......機械文明から好きなモノを召喚できるスキル......機械文明?
クールタイムは604800秒......ゲーム内時間で1週間か。モノがモノなだけに、流石にクールタイムが長い。だが......その機械文明の技術力によっては、かなり強力なスキルだろう。
「......早速......何か召喚してみるか?」
スキルの使い方はなんとなく頭に入っている。と言っても......感覚的な感じだが。
スキルが身体の一部のような感覚なので、身体の能力を使う......感覚的な事を説明するのはキツイな。
この
とりあえず......武器や防具、兵器とかは重すぎて持てないとして......人間......召喚できるのか?
とにかく強い人間を存在を召喚できたら面白そうだ。
「......いでよ! 強い人間!」
『召喚に失敗しました』
頭の中にアナウンスが流れ、失敗したような効果音が流れる。やっぱりこの感覚には慣れない。
そして......やはり強い存在、と言うだけでは召喚できないらしい。それか......人間を召喚出来ないかだ。
「......探索かな」
僕は探索するために、空を飛ぶことにした。ようやく、空を飛べるのだ。嬉しくない訳がない。
胸のドキドキを押さえつつ、羽ばたく。
羽ばたいてみると、徐々に空を飛び始める。
「......おぉ」
前に進み始める。風に乗り、僕は飛ぶ。
「......ぁぁ......ああ!!」
ようやく、僕は鳥になったのだ。まだ自由とまではいかないが。
とりあえず、地面を見下ろす。そろそろ、実戦経験と積まないといけない。弱そうな相手を探そう。
数分かけて、ようやく弱そうなリスを見つけた。何故か僕は目が良いらしい。
僕は急降下して、風魔法を使う。そんなイメージをする。
その一撃で倒せなくても、また逃げてもう一回攻撃すれば相手は攻撃が出来ない。
「......よし」
初の実戦だ。深呼吸をしながらワクワクを閉じ込める。
深呼吸をして、僕はリスに向けて急降下をする。秘匿を使ってる効果か、リスはまだ気づいていない。
「ギリギリまで......」
地面から3mぐらいだろう。リスに向けて魔法を放つ。
秘匿は同時に解け、不可視の風の刃はリスの首めがけて飛んでいく。
風の刃はリスの首を捉え、リスの頭は胴体から離れる。
「よしっ!」
そして、少しした後、リスは電子の海に霧散する。
僕はそこらにある木に留まる。
「メニュー」
メニューを開き、経験レベルを見る。経験レベルを確認してないと思ったからだ。
確かに、リスを倒したら経験値が入っている。それでも、4分の1だが......まぁ4分の1も入っている方が驚きだが。
「......」
そういや、新しいスキルを手に入れてなかった。
経験レベルを上げると、スキルを入手できるスキルポイントが手に入る。
現在持っているスキルポイントは3。大体1スキルにつき1スキルポイントが必要なので、3つスキルをゲットできると言う事だ。
と、言う事で――
「こんなもんか」
3つスキルを入手した。
【加速】:Lv1
【探知】:Lv1
【ダウジング】:Lv1
まず、加速は自分の身体を加速できる。多分猛者とかは全員このスキルを持っているだろう。それに、鳥の僕と合っているし。持続時間は解除するか攻撃するまで無限、クールタイムは15秒。
「......早く飛びたい」
次に、探知。
簡単だ、エコーロケーションのようなモノだ。音を出し、反響した音で周囲の地形などの情報を得る。そんな感じのスキルらしい。持続時間は解除しない限り無限、クールタイムは10秒。
「......使いこなすまでに時間がかかりそうだ」
最後にダウジング。
これはなかなか面白いスキルで、15%の確率で一番近いお宝を見つけられるらしい。失敗したときは失敗したと通知が出るので、失敗しても安心だ。クールタイムは5分。
「......早速やってみるか」
と、言う訳で退屈なレベル上げから逃げるために、ダウジングをすることにした。どうせ、失敗してもレベル上げすればいいだけだ。15%がどれほど当たるかは分からないが、とりあえずやってみる。
僕は左腕を前に突き出し、スキルを発動する。
『成功しました。プレイヤ―の視界に近くの宝の在り処を表示します。』
......なんと、成功してしまった。視界にピンのようなモノが差されており、どうやらそこに向かえばいいらしい。
......とりあえず、行ってみるか。
僕は羽ばたき、その場所に向かう。
「......わぁ」
向かってみると、近くにいかにもな洞窟を見つけた。
とりあえず、秘匿は発動中なので入ってみる。
中は......洞窟だ。本当に宝があるのか?
ただ、想像する洞窟とは違い、何やら壁に彫ってある。
「......光が無いな」
こんな事もあろうかと、探知のスキルを習得している。
「役に立つとは思わなかったな」
探知スキルを発動する。
なんとなくだが、彫っている内容ぐらいなら分かる。
これは絵だ。
絵の内容は......明らかにおかしい。まさに芸術家が描いたような優美さを持っている。ただ、それを上回る酷さが、そこにはあった。
「......っ」
僕は目を背けようとした。
だけど、背けられなかった。巨大な、いや、それでは言い表せないぐらいの大きさのキノコ雲と、燃え盛る人々の顔からは。
「......クソっ」
......なんとなく、分かったような気がした。
機械文明は、技術が進歩しすぎた
「......ハハッ。趣味が悪いな。
僕は思わず後ずさりしてしまった。しばらく、立ち尽くした後、僕は先に進む。
「......はぁ」
憂鬱な気分になりつつも、この世界の裏設定が分かった気がする。
「......」
ふと、地面を見る。地面には明らかに
......流石に、気分が悪い。だが、洞窟の風は僕の背中を押す。まるで、先に進めと言っているように。
僕は、その風に流されるように先へ進む。
少し進むと、大きい広間に出る。
そこには何個か大きな岩が落ちている。
そして、大きな岩の先に、広間の出口がある。宝はこの先にあるようだ。
......僕は少し考え、気付く。
「......これ絶対ボスだよなぁ」
何個かの大きな岩と大きい広間は......ボス部屋だと考えるのが正解だろう。
とはいえ、この部屋を避けれる訳でも無く、僕にはボスを倒せる程の力は無いしで、結局の所、やることは一つだ。
「突っ切って行く......しか、ないよな」
......スキルを活用して、行くしかない。
秘匿のスキルはもう掛かっているので、秘匿が効かなかった場合に備えて、低空飛行しながら加速を使うしかない。
加速はぶっつけ本番だが、やるしかない。先に進むのが、
「ふぅー......」
深呼吸をする。
数回深呼吸をした後、空へと羽ばたく。
少し浮いたところで、ゆっくり前へ進む。
「......どうか。生き残っててくれよ......!!」
加速スキルを使い、一気に出口へと向かう。
1秒もしない内に、出口に着く。着地するときに、足の裏を少し擦ったが......怪我はそのくらいだ。
岩が動くような音はしない。
後ろを見ても、大きな岩は動かない。
もしかしたら、ただの大きな岩だったかもしれないが......
「ま、いいか」
僕は進む。
空気が冷たくなる。まるで、何かの研究室に入ったような感覚だ。
その感覚に、僕は少し、羽毛の中から悪寒を感じた。
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