世知辛い世の中ですが!
神坂774
依頼その1 前編 なんか知らんが、巻き込まれたァァァ!!
お気に召したら、いいね・コメントなどじゃんじゃんお願いします!
こちらの話は、一話一エピソードではなく、複数の話で一エピソードとなっているので一気読みがおすすめです!
「日常」−−常日頃。平生。
コトバンク時点より、抜粋。
七時間目が終わり、クラスは騒がしくなった。
窓側の横二列目の席に、頬杖をついている霧峰涼華は窓の外を、ずっと見ていた。
「涼華ちゃん!」
1人静かに黄昏ていると、後ろから声をかけられた。
待田理子は、長い髪を靡かせている。
「理子ちゃん」
見え見えの愛想笑いで、応戦と行こうではないか。
「休部期間っていつまでだっけ?君の」
「確かまだだった。ごめんね。ほんとに」
「ううん、全然大丈夫だよ。待ってるから、じゃね!」
「うん。じゃ」
待田理子は、爽やかな笑みをしながら自分の席に戻って行った。
−−つまらない。
霧峰は、そう思っていた。
ホームルーム中もずっと。
「はあ、つまんないな」
独り言を呟いた時だった。
教室のドアが、勢いよく開いたのは。そして、上靴を擦りながら入ってきたのは、サボり魔・究極の自由人−−の異名を持つ高羽優希だった。
全員の視線が、彼に注目した。
「あっ、雰囲気悪くしちゃったかにゃ?どんぞ、どんぞ。俺に構わずに、進めてくださいまし!」
−−言葉遣いどうにかならないのかな?とここにいる誰もが、そう思った。
ぶっちゃけ言って、正直に告げると。
霧峰は、高羽優希のことが嫌いだった。というか、あんなキテレツキャラクター・高羽優希くんに、自ら近づくバカなどいないのである。
故に彼は、浮いていた。
このクラスの中で。
なんだ?地位は唯一無二の「自由人」!なんちゃって的な?
−−まずは、協調生を身につけましょうか?
霧峰は、そう彼に突っ込んだ。
心の中で、だ。
まさか、彼に向かってそんなこと言えるわけがないのだ。
数秒固まっていた−−まあ、無理もない。あんな登場されたら、誰だって硬直する。−−担任の若松が、気を取り直したように声を出した。
「それじゃ、日直。号令!」
「きりーつ、さようならー」
日直・拓篤陸介が、いまいちしまらない号令をかけたことで、ホームルームは、終わりを告げた。
そして。
また、教室は騒がしくなった。
掃除当番は、仕事しないわ。日直−−拓篤陸介は、クラスの他の一軍男子とくっちゃべって相方である田中愛佳を困らせているわ。
おまけに、話し声がうるさい。
−−まったく、バカしかいないのだろうか?霧峰は、そう思いながら、教室を出たのだった。
体調は、快晴だが薬局に行こう、と決意を固めていた。静かに、ではあるが。
拓篤陸介は、教室を出た霧峰を見ていた。
凝視、ガン見である。
そして、なぜかそのすぐ後に同じように教室を出た高羽優希の姿も。ガン見していた。
「拓篤、どした。招き猫行くんでしょ?カラオケ行くんじゃないんすか?」
−−誰だ、カラオケ行くって言った奴。しばいたろか?行かねーよ、つまんねーだろ。お前らと行ったって。
拓篤は、心の中で毒を吐いた。
そして。
「ごっめーん!俺今日、用事あるの忘れてたわ」
能天気に。
あくまで、ハイテンションに、言った。
悟られないようにして。
「えー!まじかよ、」
「拓篤がいないと、つまんねーって!」
「盛り上げるための修行頑張れよー、じゃ!」
−−うるせえ、騒ぐしか脳のない奴が。俺は霧峰を追うのに忙しいんだよ!静まれバカ。
またしても、毒を吐きながら。
拓篤陸介はこうして、他の一軍男子と別れ、小走りで階段を降りたのだった。
−−先に言っておくが、ストーキングではない。そう、これはストーキングではない!大事なことなので。二回言いました!言ったからね?
と、自分に言い聞かせてから、拓篤は霧峰を付けた。
側から見れば、立派なストーキング行為をしていると思われるのは、本人は知ったことじゃなかった。
霧峰は、薬局に入った。
そう、みんな大好き「ウエ○シア」である。
冷房が効いていて、肌寒い。
当たり前だ、まだ春なんだから。
−−なんで春なのに、冷房つけんのかな?と思いながら、霧峰はまっすぐに風邪薬コーナーへ行った。
パブ○ンあたりが、今日はいいだろう、と思い霧峰はパブ○ンに手を伸ばした。
が、それが手に取られることはなかった。
「霧峰さーんっ!めっけたっちょ」
高羽優希が、声をかけたからである。
霧峰は固まった。
高羽優希は、特にこれといった商品を持っていなかった。ポッケに、手を突っ込みながら、やってきた。
なんで、この男がここに?あれ、パブ○ンとるところ見られて−−?は?え?なんで?
頭真っ白フィーバータイム、到来である。いえーい、やったね!全然良くないけどねっ!ハハっ!!
頭の中で、ネズミーランドのネズミーマウスがあの例の笑い声をしたかのようだった。
ハハっ!!笑えねえぜ!!
霧峰は、口を開いた。
早く帰って欲しいと思いながら。
「なん…なんですか。一体」
「なんでって、見ちったからかにゃあ?」
「だからって…ストーカーですか。」
霧峰は、警戒していた。
一体全体、なんでこいつがここに…。
「わあおっ!ストーカー、ひどいねっ俺泣いちゃうんだっちょ。でも、ストーカー俺じゃにゃいの。あいつだっちゃ」
高羽は後ろの商品棚の方を、指を指した。
そこには、一軍男子・拓篤陸介がいた。
「は?」
待て待て。
何を、言っているんだ?この男は?
霧峰は、困惑した。
「−−え、…え、え?…え?」
あまりにも驚きすぎて。
『え』しか言えなくなっている。なんですか、あなた。『え』人間様ですか?
−−違いますが?
と、一定の脳内会話?を終えたことで、霧峰の思考は、正常化した。
「拓篤くぅーん!」
なんということだろうか?
高羽は、拓篤のことを大声で呼んだ。
これには、拓篤も驚いた。
「え、は?」
「ちょっち、こっち来てちゃー!」
うるさかった。
はっきり言って、うるさかった。
「一旦出てもいい?」
拓篤は、恐る恐るといった様子だった。そりゃそうだ。自由人代表・高羽優希が相手なのだから。
「いいんだっちょ」
目を閉じた、嘘くさい笑いを高羽はしながら、了承した。
3人は、ウエ○シアのドアの前−−というか横に、屯した。
「あのさ、いつから気づいてたわけ?俺が…その…霧峰のこと、アレしてたの」
「今ちょっち黙ってちゃ、俺が用あんのは、霧峰さんだから」
拓篤が、浮かばれなかった。
かわいそうに、ナンマンダブ、ナンバンダブ。
「…用?」
「そだっちゃ、用があんのしゃー!」
ハイテンションだった。
高羽が、続けた。
「霧峰さんってしゃあ、なんでウエ○シアに、来てたわけえ?」
霧峰は、黙った。
すかさず拓篤が、カバーに入る。
「風邪だからじゃないのかよ」
「それにしては、顔色がいいのよん。咳も全然してにゃいし。頭痛があるようには、見えましぇんなのだー」
拓篤が、こいつ何言っていやがらぁ、というような目線を高羽に向けた。
実際。
図星だった。
霧峰は、黙った。
頭フル回転にして、なんとか言い訳を−−と思ったが、ダメだった。
思い浮かばない。
結果的に、霧峰は黙り込んだ。
「あっれれ?シカトっすかあ?俺泣いちゃうよん」
「高羽、お前」
「そんなに、怒らにゃくてもいいじゃんっ」
拓篤が、牽制したがそんなものお構いなしに、高羽は続けた。
「何か悩みあるんしょ?」
「え?」
何…何すか?急に。
困惑する霧峰をよそに、高羽は饒舌に話す。
「だぁーってぇ、昨日の薬物乱用防止教室で、オーバードーズしちゃったりなりーするのは心が弱ってるから的なこと。言ってたっしゃ?」
「え、あ、うん。そうだね」
霧峰は、眠くてほとんど聴いていなかったが、とりあえず頷いておいた。
高羽は、満足そうに笑って、続けた。
「話聞いちゃうのよん。びこーず、俺は便利屋だから、ね!」
便利屋?
霧峰・拓篤は、2人して何言ってんだ、こいつ。というテンションになっていた。
「…その、便利屋というのは?」
拓篤が質問した。
「犬の散歩から、何から何まで受けたわまります!ってなきゃんじ?」
胡散臭かった。
信じられない、というのが霧峰の感想だった。
「それだけ?」
拓篤が、言った。
「ノンノンっ!ほんとは、霧峰さんだけにしようかにゃって思ってたんだけど。いいぜ拓篤。お前も誘ってやらぁ」
高羽は、拓篤のことを見下しているのだろうか?拓篤は、顔を顰めた。
が、そんなこと知らん!のテンションで、高羽は続けた。
「便利屋のしっごっと!手伝ってほしいんだーっちゃっ」
−−わーお、オーマイガッ!予想外極まりなかった。
霧峰と拓篤は、顔を見合わせた。
さて。
どうしようか?
「…ありゃん?黙っちった」
なんと返答していいのか、わからない霧峰・拓篤は黙り込んだ。
拓篤が、口を開いた。
「…本当に、悩みとか依頼したら、解決してくれる訳?」
「そうだっちゃ」
コクンっと高羽は頷いた。
「じゃあさ、ゲームしようぜ」
「…え?」
霧峰は、予想していなかった。
−−なぜ、そこで勝負だ!みたいな流れに持っていく!?なぜ!?
拓篤は、動揺している霧峰をよそに、高羽と向かいあった。
「俺はぁ、全然いいけど」
高羽の態度は、いつもと変わらない。
あくまで余裕綽然。
いつもの、ペースはそのままですのよん、と言った具合だ。
「あそ。…了承してくれて、助かるよ。ゲームは、一週間以内に、俺と霧峰から依頼内容をなんとか聞き出して、解決すること。以上」
冷たく言い放つ拓篤に、高羽は物申した。
「依頼内容を聞き出すことも、含まれてれらってのは、キツいかも知れにゃいけど。ノった。」
…受けてしまった。
高羽優希が、拓篤陸介から売られた喧嘩を、買った。
何買ってんだよ、バカじゃないの?これだから男子はさぁっ!と霧峰は、思った。
同時に、高羽に自分の悩みがバレてしまうということを考え、みじろきした。
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