108恋愛物語ver2025

ユウキ・アカツキ

第1話みゆとまこと

今日も……一日が終わる……

それも……しょうがない事だとは分かっているけれど……

でも、私はそれで終わって欲しくない。


嫌だ……


嫌だよ、私はまだまことくんに思いを伝えていないのに。

こんなに、ずっとそばに居るのに……


胸に秘めているこの思い……


私が大切にしているこの思いを……


全て全て……まことくんに吐き出したい。


全部全部伝えて、楽になりたい……

ずっとずっと……一緒にいたいとか……そう思ってるのに……


そんなふうに思っているのに、私はまだ一歩を踏み出せない。


私……西野美優にしのみゆは、まだ夢見ているんだ……


ずっとずっと……思いを寄せている相手に思いを伝えずに……この毎日が過ぎ去ることを良しとしているんだ……


それじゃだめなのに……


それじゃ……

私は……成長出来ない……

ずっと、そう思っているのに……いっこうに成長できないし変わらない……


こんな私が嫌……


気にかけさせてしまう私が嫌……


心配かける私が嫌……


私自身が嫌……


全部全部嫌なのに……


こんなにも、好きだと思ってしまう……


私は、教室の端っこの机で顔を伏せつつそう思う。


「はぁ……まことくん……」


「俺がどうしたんだ?」


「へ?!ひゃぁ?!」


「おぉっと……ほんとにどうしたんだ?!みゆ……」


そうまことくんがやってくるとは思わなくてびっくりしてしまい大声を出してしまった……

まことくん……

金髪で、すっごく顔も整っててかっこいい……

私の自慢の王子様……

それで……憧れの人で……私がすっごい……大好きな人……


でも、私の心の声全部聞かれてたらどうしようって……思ってしまう……


嫌だけど……どうしよ……


でも、ここで言わないといけないのは分かっているけれど……それはほんとに今なのかな……

いいのかな……


「どうした?みゆ、なんかあったなら言ってみろよ?」


「う、うん……ありがと……」


ああ……眩しいなほんとに……

羨ましいんだよなぁ……だけど……私のこの気持ちは叶えてはいけないのかもしれない……


だからこそ……


私はもう、諦めた方がいいのかもしれない……それなのに、私は……


私は……!!


「まことくん……」


「ん?どうした?帰らないのか?」


「か、帰るよ……でも、一つだけ……言いたいことがあるんだけど……いいかな……」


「言いたいこと……いいぞ?なんだ?」


「それは……えと……その」


言えないのか……

今日も言えなくて……いいのか?

それで……いいの?私の思いはそんなもんでいいの?


私はそれで納得いくの?


嫌だよ……?


私は……


まことくんに……いっぱいいっぱい……思い、伝えたいよ?!


「まことくん!」


「な、なんだ?」


「私……ずっと、ずっと……言えなかったことがあるの……」


「おう」


何度も……何度も思ってた……


ずっと……ずっと……私は……!!


まことくんのことが!!


「私は……小学校の頃から……まことくんが……大好きでした!!付き合って……ください!!」


私は椅子を蹴飛ばす勢いで立ち上がり、そう言った。

その瞬間、窓の外から風がなびき……瞬間瞬間ごとに鼓動が高まっているということがわかった。


でも、静寂が……続いている。


だめなのかな……いいのかな……


分からないや……


でも、まことくんはきっと……私を振るだろう……


だから、期待しない……


「ごめんね、行くね……」


「ちょ、ちょっと待って!みゆ!」



「へ……?」


「俺も……なんだ」


え?

な、なんて……言ったの?


「俺も、みゆ……お前のことが好きだ」


「え……」


「俺もずっと……好きだったよ、ずっと側にいて、ずっと俺はお前のことしか見てなかった。それだけ俺は……お前のことを愛していたんだ……」


「ま……まこと……くん……」


ありえない……


いや、これは……私の夢……じゃないよね。


大好きなまことくんが、私に……好きだって言ってる?


それは、ホントに……

嬉しいこと……だよね……

いいの?こんな私でいいの?

本気に……しちゃうよ?私、それだけまことくんのこと……好き、なんだよ?


「いいの?」


「ああ、お前がいいんだ」


「こんな私で……いいの?」


「ああ、俺はみゆが好きだ」


「まことくん……」


私は振り返り……笑みを浮かべる。

涙を流して……泣いてしまっていたけれど……でも、私はそれだけ嬉しいということをまことくんに伝えていられてるのかな?


「まことくん……大好きだよ」


TheEND

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